プロはティグラウンドに立ったとき、コースの状態や次打地点にいる前の組のプレーなどをしっかりチェックしている。プロゴルファーでありツアー解説者でもあるタケ小山は、アマチュアもプロのようにアンテナを張り巡らすことがスコアアップにつながると話す。著書「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」から、プロのティグラウンドでの情報収集についてご紹介。

ティグラウンドはアンテナを張り巡らせる場所

ホームコースや頻繁にラウンドするコースは別にして、アマチュアの場合はティグラウンドに上がってから、「このホールはどこに打っていけばいいのかな」「OBはあるの? 安全なのはどっち?」という具合に、ホールの攻略ルートを考えることがほとんどだと思います。

プロの場合、毎年同じコースで開催される試合が多いですし、試合前に練習ラウンドをしているので、基本的な攻め方は頭に入った上で、ティに立ちますが、ゴルフは自然と戦うスポーツ。いつも同じ状況とは限りません。そこで、プロがティグラウンドに立って何をするかというところに、注目してみましょう。

まず、ピンポジションを確認し、その日のティからピンまでの距離を把握します。次は、ピンがグリーンのどこに切られているか。パー4であれば、ピンの位置によって、セカンドが狙いやすい場所が決まってきますよね。

もちろん、バーディ狙いの“攻める”ルートだけじゃなく、ホールの難易度や状況によって、“守る”ルートも確認します。また、「人のプレーは見ましょう」という話にも繋がりますが、ティショットを打ち終わって、次打地点にいる前の組のプレーも、しっかりチェックしています。

画像: プロたちは同組のティショットだけでなく、次打地点にいる前の組のショットから風の方向や強さなどリアルタイムの情報を収集している(写真は2018年の中日クラウンズ)

プロたちは同組のティショットだけでなく、次打地点にいる前の組のショットから風の方向や強さなどリアルタイムの情報を収集している(写真は2018年の中日クラウンズ)

このホールは右サイドから攻めていくのがセオリーなのに、なぜか前の組の選手全員が左サイドに外しているとしたら、「あれ、おかしいぞ。もしかして上空は右からの風が強いのか?」とか、グリーンまで見渡せる場合は、グリーン上で行ったり来たりしている選手たちの様子を見て、「もしかして、カップが左手前のコブにかかっているのかも……」というように、常にアンテナを張り巡らせて、必死で情報を集めているのです。

そうやって注意を払っていると、ティグラウンドに立った瞬間に、何かいつもと違う空気が漂っていることを、察知できるわけです。

ラウンド中は常にそういうセンサーを働かせてください。ティグラウンドに立ったときも、ただ漠然とフェアウェイの真ん中を狙って打っているようでは、いつまでたってもスコアアップなんてできませんよ。

「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」(ゴルフダイジェスト新書)より

撮影/姉崎正

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