さる6月2日(土)、小社が主催する「ゴルフダイジェスト ジャパン ロングドライブ チャンピオンシップ 2018」(通称・ドラコン日本選手権)が東名CCで開幕した(予選/第1ブロック、第2ブロック)。「1ヤードでも遠くへ飛ばす」という永遠のテーマに向かって、ゴルフでありながら全く異なる競技に人生をかけた男たちのアツき戦いが繰り広げられた。

ロフト6度、長さ48インチ、硬さXXXのクラブで戦う

「飛距離ナンバー1」の座をかけて、全国から飛ばし自慢が集まるドラコン日本選手権。東名CC(静岡)と三鈴CC(三重)で行われる予選を勝ち抜くと、7月15日(日)~16日(祝・月)に開催される決勝大会へ出場できる。

そこで優勝した選手は、日本代表として世界大会に派遣される。ワールド・ロング・ドライバーズ・チャンピオンシップ(WLDC) の公認による、11の協賛各社にスポンサードされた、国内最高レベルのドラコン競技だ。

画像: 競技は5つのカテゴリーに分かれていて、それぞれに参加資格が異なる。国内最高峰の「チャンピオンズリーグ」は有資格者による限定リーグであり、ポイントでランキングされる。「オープンディビジョン」は年齢不問、「シニアディビジョン」は45歳以上、「スーパーシニアディビジョン」は50歳以上、そして女性による「ウィメンズディビジョン」だ。

競技は5つのカテゴリーに分かれていて、それぞれに参加資格が異なる。国内最高峰の「チャンピオンズリーグ」は有資格者による限定リーグであり、ポイントでランキングされる。「オープンディビジョン」は年齢不問、「シニアディビジョン」は45歳以上、「スーパーシニアディビジョン」は50歳以上、そして女性による「ウィメンズディビジョン」だ。

使用クラブはSLEルール適合品で、クラブ長さは最長48インチ。競技で使われる公式ボールは、アメリカン倶楽部がドラコン用に開発した、コンプレッション110と一般的なコースボールよりも硬い「Charger X」だ。世界大会で使用されるボルビック(Volvik)のボールと同じコンプレッションだが、ヘッドスピード(以下HS)が60m/sを超えるドラコン選手が打つと感触が軟らかく感じるようだ。

画像: 大会公式球「ChargerX」は硬いボールだが、選手たちが打つと打感を軟らかく感じるという

大会公式球「ChargerX」は硬いボールだが、選手たちが打つと打感を軟らかく感じるという

試合会場には、戦闘服をイメージさせるような派手で“ちょいワル”なウェアを身にまとった選手、ポロシャツがはち切れんばかりのマッチョな猛者、体格はスマートながら鋭いスウィングでボールを飛ばす歴戦の強者が集まった。

一本足打法でクラブを振りちぎる豪快なスウィング、ヘッドが顔の下に見えるくらいバックスウィングを回しきる超オーバースウィング、ティアップを高くして超アッパーにかち上げるスウィングなど、まさに個性派ぞろい。そして会場には、徹底的な“飛ばしチューン”をした地クラブのヘッドやオリジナルシャフトが目立った。

それらのドライバーのロフトは6度とか8度、シャフトは3Xの“スーパーハード”もあればグニャグニャでヘッドを走らせるタイプなど多種多様。風向きやその日のコンディションに対応するため、スペック違いのスペアクラブを用意する選手が多かった。

画像: 国内最高峰のチャンピオンリーグに出場した選手

国内最高峰のチャンピオンリーグに出場した選手

競技はカテゴリー別に2~3人が1グループとなって飛ばし合いをしたが、基本的な流れは、マット打席で3分間の練習をしてから本番の芝打席に移り、3分間の持ち時間の中で6球を打ち、ベストの1球がその選手の記録となる。打球の測定範囲は、左右幅40ヤード(狭まる場合あり)・縦幅270ヤード以上を基準として、レーザー測定器で飛距離を計測する。

画像: 会場となった東名CCの練習場。打ち上げでランが出にくく、さらにこの日は軽いアゲンスト。一般的なゴルファーなら200ヤード飛べば十分といったところ

会場となった東名CCの練習場。打ち上げでランが出にくく、さらにこの日は軽いアゲンスト。一般的なゴルファーなら200ヤード飛べば十分といったところ

選ばれし飛ばし屋が集う「チャンピオンズリーグ」では、327ヤードの同記録でトップに並んだ2人によるプレーオフ(1分30秒/3球)に突入した。ドラコン選手権で何度もチャンピオンに輝いている王者・南出仁寛はこの日、ワイルドカードで勝ち上がった“持ってる男”。そして、その南出をリスペクトするホープ・永江義経の2人は、同じクルマで試合会場に駆けつけるほど気心が知れた仲だ。

その結果はラストとなる3球目で、火を噴くような弾丸ライナーの340ヤードをぶっ飛ばした永江の逆転Vとなった。12年前にドラコンデビューをして、4年くらい前からオープンディビジョンで勝つようになりチャンピオンズリーグに上がった。職業は消防士。ドラコン時のHSは64~65m/sという。

画像: 南出仁寛とのプレーオフの末340ヤードを飛ばし勝利を手にした永江義経選手

南出仁寛とのプレーオフの末340ヤードを飛ばし勝利を手にした永江義経選手

「3球目は当たっちゃいましたね(笑)。普段のトレーニングは腕じゃなくて体幹がメイン。力づくでボールを叩くのではなく、南出さんのようにフェースにボールを乗せて運ぶようなイメージで打っています。ドライバーのロフトは6度と8.5度がありますが、横風が吹いていたのでスピンが減らせる6度のヘッドを使いました。シャフトは『インパクトボロン・リボルバー』(レーヴ)、40グラム台のフレックスX。軽いほうが速く振れるし、軽くてもインパクトで当たり負けしないので飛ばせます。ドライバーの長さは47インチです」(永江)

その永江は、かつて南出と対戦したときに、ここ一番で400ヤードを超える“想定外”のビッグドライブをマークされて負けたことがあったという。南出は永江にこういうアドバイスを送った。

画像: 6月2日(土)に開催された「ゴルフダイジェスト ジャパン ロングドライブ チャンピオンシップ 2018」(通称・ドラコン日本選手権)の予選。熱い戦いが繰り広げられた

6月2日(土)に開催された「ゴルフダイジェスト ジャパン ロングドライブ チャンピオンシップ 2018」(通称・ドラコン日本選手権)の予選。熱い戦いが繰り広げられた

「勝負どころで自分の“リミッター”を外して潜在能力を引き出せるようになれば、もっと上へ行けるはず。ボク自身、試合でリミッターを外して飛ばした翌日は、体がバキバキに張って辛くなります。これからまた、戦うことになるかもしれませんね」(南出)

アジア人初の世界ベストエイト、海洋冒険家……多士済済がしのぎを削る!

「シニアディビジョン」では、319ヤードを飛ばした酉川博文が優勝。2016年の大会では同ディビジョンでチャンピオンになり、世界大会ではアジア人初となるベスト8まで進んだ。15年のドラコン歴があるが、ドラコンで戦うためにシャフトメーカーまで立ち上げてしまったという、まさに人生をかけた戦いに挑んでいる。ドラコンのHSは65m/sだ。

画像: シニアディビジョンを制した酉川。その熱意は、自分でシャフトメーカーまで立ち上げてしまったほど

シニアディビジョンを制した酉川。その熱意は、自分でシャフトメーカーまで立ち上げてしまったほど

「マン振りしても、トップがしっかり上がればシャフトがブレないので、原点(アドレス)に戻りやすいんです。スウィング的には、左腕をしっかり伸ばしてテークバックを深く大きくすることで、トップで右足に体重を乗せる。そこから左足に乗りながら、インパクトからフォローを大きくとるイメージです」(酉川)

ロフトは8度。ハイティでアッパーに捉えて、高打ち出し&低スピンでかっ飛ばしている。

さらに「スーパーシニアディビジョン」では、海洋冒険家として単独世界一周ヨットレースで活躍する白石康次郎が323ヤードでV。

画像: 海洋冒険家の白石。323ヤードでスーパーシニアディビジョンを制した

海洋冒険家の白石。323ヤードでスーパーシニアディビジョンを制した

「ゴルフが大好きなんです。勝って良かった、元気が出てきますね。人生は喜怒哀楽を噛みしめるものなんです。勝ったら嬉しい、負けたら悔しい。そういう思いができるのも、チャレンジや冒険をしているからこそですね」(白石)

「ウィメンズディビジョン」を制したのは、253ヤードを飛ばした名和瑞穂。ゴルフ歴は6年目、ドライバーのHSはマックスで51m/sという女子アスリートだ。ドラコン選手権は初めての出場だが、競技ゴルフの経験者だけに勝負どころでの集中力はさすが。力強いドローボールがさく裂した。

画像: 各部門の優勝者たちは、やりきったこの笑顔(左から時計回りにオープンディビジョン優勝の後藤正幸さん、スーパーシニアディビジョンで優勝の白石康次郎さん、チャンピオンズリーグ優勝の永江義経さん、ウィメンズディビジョン優勝の名和瑞穂さん)

各部門の優勝者たちは、やりきったこの笑顔(左から時計回りにオープンディビジョン優勝の後藤正幸さん、スーパーシニアディビジョンで優勝の白石康次郎さん、チャンピオンズリーグ優勝の永江義経さん、ウィメンズディビジョン優勝の名和瑞穂さん)

1球ごとに風を読み、打ち出し方向を調整しながら、持ち球の6球に集中してすべてのポテンシャルを出し切る。脳と体のリミッターを開放して、ここ一番の“火事場の馬鹿力”を発揮したドラコン選手たち。今シーズンの大会でも、魅力あふれる飛ばしとガチンコバトルが見られそうだ。

※記事内の記録は「予選第1ブロック」です。

詳しい成績とエントリーの詳細はこちら

画像: www.golfdigest.co.jp
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撮影/三木崇徳

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