PGAツアーは「グローバルなマルチプラットフォームづくりのため」マルチナショナルテレビジョングループであるディスカバリーとの契約金2200億円にのぼるパートナーシップ契約を発表した。

“グローバルなマルチプラットフォームづくり”というとなにやら仰々しいが、要はPGAツアーのコンテンツを世界中どこでも、どんなメディア機器を通してでも楽しむことができるシステムを構築し、配信サービスを行っていくということだ。

契約がスタートするのは2019年からで、PGAツアー傘下の6つのツアー団体が運営する年間140試合以上のライブ放送がアメリカ国外からアクセス可能になる。

もちろんライブ配信だけでなくツアーの録画映像やライブラリー映像などが有料放送や無料チャンネルで視聴できるようになる。ディスカバリーは先の平昌オリンピックのライブ配信を成功させた実績を持ち、2024年までの五輪放送権を獲得しているという。すでに子会社であるユーロスポーツなどを通じて全世界に放映網を築いており、7億人の視聴者がいるというからすごい。

「ネットフリックス」のようなストリーミングサービスにより、世界中の視聴者にダイレクトにコンテンツを配信することで「ゴルフをさらに世界に広めたい」とディスカバリー社CEOのデビッド・ザスラプ氏はコメント。

まずはオーストラリア、カナダ、イタリア、日本、オランダ、ロシア、スペインで2019年1月1日に配信をスタートさせ、韓国や中国は2020年以降の配信が予定されている。詳しいことはまだわからないが、半年後にはPGAツアーの試合映像を、ネットを通じて楽しめるようになるようだ。

画像: タイガーの登場により、PGAツアーの放映権料は跳ね上がった。タイガーがツアーに本格復帰した今年、今度は高額でのネット配信契約が結ばれた(写真/2018年のザ・ホンダクラシック)

タイガーの登場により、PGAツアーの放映権料は跳ね上がった。タイガーがツアーに本格復帰した今年、今度は高額でのネット配信契約が結ばれた(写真/2018年のザ・ホンダクラシック)

PGAツアーコミッショナーのジェイ・モナハンは「このパートナーシップは我々PGAツアーのグローバルメディアビジネス発展に大きく貢献してくれるでしょう。近年PGAツアーがロンドン、東京、北京に事務所を開設したのと並行してゴルフの成長を長期的にサポートしてくれると考えています。新たに世界中の視聴者とつながる機会を得ることで、我々のスポンサー企業にも付加価値をもたらすでしょう」とコメントしている。

モナハンコミッショナーの野望は「ゴルフをアメリカの3大スポーツ(メジャーリーグ、プロバスケット、アメリカンフットボール)に匹敵する存在」に押し上げることだ。

気になる放映権料だが12年契約で20億ドル、日本円で2200億円にのぼる。米国内ではCBSテレビとNBC/ゴルフチャンネルが2021年まで放映権を持っており、今後既存のテレビ局とディスカバリーになんらかの競合関係が生まれる可能性も。展開次第では国内でPGAツアーのテレビ中継を行っているNHK(BS)やゴルフネットワークにもなんらかの影響があるかもしれない。

タイガーのゴルフシーン登場でPGAツアーの放映権料が跳ね上がり、90年代終盤からそれが賞金に還元された。彼に次々優勝をさらわれたライバルたちも「悔しいけれどタイガー景気の恩恵を受けたのは事実」と感謝したもの。ディスカバリーとの提携で今後ツアーはさらなるバブルへの道を歩むのだろうか?

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