「全員が60台」の高い目標を掲げ、それを実現した
3人がプレーし、良かった2人のスコアを合算するチーム戦(男子は4人がプレーし、良かった3人のスコアを合算)。女子日本代表チームは、目標としていた「3人全員が60台」を最終日に達成。個人でも優勝(韓国のイ・スジョンと同時優勝)した安田祐香が「67」、個人3位の西村優菜と4位の古江彩佳が「69」で、チームスコアは1日で8アンダー。4日間トータル22アンダーというスコアで、他チームを寄せ付けなかった。
「このチームで勝てたことが嬉しいですし、最終日に目標だった『全員60台』が達成できてうれしいです」(西村)
と、口々に喜びを表現した3人だったが、個人優勝も果たした安田は、ホールアウト後に「悔しい」という言葉も口にした。
「途中でOBを打ってしまったのがもったいなかったです。OBがなかったら単独1位だったので、悔しいです」(安田)
最終日に3アンダーとスコアを伸ばし、個人戦4位につけた古江も「3アンダーという結果は良かったですが、ショットが4日間のうち(もっとも)まとまっていたので、ショットの割に(もっと伸ばせたと)もったいなかったです」と言い、西村優菜も団体優勝を喜びつつ「個人戦(3位)は悔しい結果」と語る。
チームワークが勝利の要因だという日本代表チームだが、少しでもいいプレーをして個人優勝をもつかもうという姿勢を3人が持ち続けて争い、実際に3人が4日間を通じて上位争いを演じるプレーを見せたことが、2位と10打差という結果につながった。
個人戦14位タイだった男子日本代表の中島啓太は「チーム戦ということで、スコアを守る意識が消極的なプレーにつながってしまった」と反省していたように、チーム戦ではスコアを落として仲間に迷惑をかけるのを恐れるのは自然なこと。女子チームは「全員が60台」という目標を掲げ、それを追求したことも好結果を生んだようだ。
女子プロ界では畑岡奈紗、勝みなみ、新垣比菜らの“黄金世代”が活躍しているが、今回の日本代表チームは黄金世代の2学年下の世代。ジュニア時代の“先輩”たちがいきなりプロの世界で大活躍しているのを目の当たりにしているだけあって、その目線はプロ入り、さらにその先の海外ツアー、オリンピックまでを見据えている。
「プロテストに合格することを第一の通過点として、それから国内女子ツアーで活躍し、25歳くらいまでにアメリカの女子ツアーに行きたい」(西村)
「東京オリンピックも出場したいですが、(2020年は、順調に行けば)プロ入り2年目なので、少し時間的に厳しい。2024年のパリ(オリンピック)がベストかなと思っています」(安田)
強くて、スケールも大きい。黄金世代の後に続く世代にも、大いに期待できそうだ。