ツアーADといえば、松山英樹、石川遼などが使用する人気ブランド。「ツアー AD」というブランド名の後にアルファベット2文字の固有の名称がつくが、今回は「ツアーAD VR」というなんとなく今っぽさを感じる名称となった。
俗に“コスメ”と呼ばれるカラーリングはブルー系。手元が白く、ツアーADならではのストライプを挟んで中間部から先端にかけてはネイビー。塗装はマットなのだがシャイニーで、高級感がある。テーラーメイド「M3」のヘッドを付けて、プロゴルファー・中村修が試打した感想はこうだ。
「いつもどおりのコスメではありますが、今回は色のコントラストが強いからか、かなりシャフトを短く感じられます。その分振りやすさを感じますから、これはいいですね。実際にボールを打ってみると、手元側は固く、しっかりしています。そして、インパクト付近で先端側が走り、ボールを弾いてくれます」(中村)
基本的にはしなったシャフトが勢い良くしなり戻る“走り系”だが、手元がしっかりとしている点がポイントになるようだ。
先が走る「ツアーAD VR」に対し、「ディアマナDF」は先端しっかり
今回試打したもう1本が、三菱ケミカルのディアマナシリーズの最新作「ディアマナDF」。塗装は艶のあるブラック系で、バット(手元)側は真っ黒で、チップ(先端)側に行くに従ってシルバーへとグラデーションしていく。手元側の「Diamana」の文字のみが、光の当たり具合で七色に輝くように見える。シックだけど地味ではない、こちらも良いデザインだ。試打した感想を見てみよう。
「先端がしっかりしていて、『自分のスウィングで加速させてください。その代わり、方向性とかスピンの少なさは請け負いますよ』というシャフトです。しなるポイントは真ん中から手元寄り。インパクト付近でヘッドがブレず、しっかりグッとボールを押し込んでくれるのが魅力ですね」(中村)
というわけで、ツアーAD VRとディアマナDFは、“真逆”とまではいかないまでも、性能面では大きく異なる個性を持っていることがわかった。今後の新ドライバーのカスタムシャフトとしても採用される頻度が高いであろう両モデル、まずはしっかりと特徴を把握しておこう。
撮影/姉崎正 取材協力/ニュー南総ゴルフ倶楽部