「連戦」で全英に挑む松山の対抗馬はリンクス大好きリッキー・ファウラー!?
スコティッシュオープンは1935年にグレンイーグルスで始まりました。長く開催されなかった時期が2度ありましたが、1986年以降は毎年行われており、今年で37回目を迎えます。
全英オープンの前週に行われる大会ということで、毎年ヨーロピアンツアーのメンバーではない選手も数名参戦します。スコットランドの気候に慣れるため、リンクスコースに慣れるため、あるいは時差ボケ調整のためといったところが主な理由ですが、昨年から賞金額がぐっと上がり、今年は全英オープンがスコットランド開催ということで次の移動が楽なこともあって、例年以上に普段はPGAツアーで戦ってる選手たちの参加が多いようです。
今年の会場は3年前にも使用したガレインゴルフクラブ。このゴルフ場がある辺りでは350年以上前、17世紀からゴルフが行われていたという記述があり、1800年代後半から現在のレイアウトに変化していき、1910年には現在の3コース(No.1、No.2、No.3)と子供用コースが出来上がったということで設計者も不明です。
前回ガレインで行われた2015年大会を制したのはリッキー・ファウラー。スコティッシュオープンの出場は4回目になりますが、過去3回1度もトップ10を外していません。
2007年のウォーカーカップで北アイルランドのロイヤル・カウンティダウンをプレーして以来リンクスのファンだというファウラーはこれまで8回出場している全英オープンでも1回しか予選落ちがなく、2回優勝争いに加わっており、リンクスコースにはめっぽう強い選手のひとりです。
今シーズンの成績も非常に安定していて予選を通った12試合のうち10試合がトップ25という安定ぶりです。全米オープン直前には婚約も発表し、今回のこのリンクスコースを巡る2週間の滞在はファウラーにとって非常に充実したものになるのではないかと思います。
松山英樹選手がスコティッシュオープンに初参戦します。松山選手というとマスターズ、全米オープン、全英オープンの前週は試合は入れずに休養や練習に充てるというスケジュールをこれまでは組んできていたので、今回スコティッシュオープン出場を発表したときは驚いたファンも多かったのではないでしょうか。
松山選手はこれまで唯一全米プロだけは前週がWGCブリヂストン招待のため連戦になるスケジュールでした。昨年ブリヂストン招待でぶっちぎりの優勝を果たすと、全米プロでも勢いそのままといった感じで素晴らしい戦いを見せました。
今シーズンはケガで1カ月以上戦列を離れた時期があったり、最終ホールまでもつれるような優勝争いをしていないので、松山選手にしてはここまで大人しい印象です。ただ予選落ちは1度だけですし、メジャートーナメントにおいては現在7大会連続でトップ20という抜群の安定感があります。あとは何かひとつ点火するきっかけになるような試合やラウンドがあれば一気に爆発するのではないかと思っています。これまでのメジャー前のルーティンを変えて初めて臨むスコティッシュオープンが何かのきっかけになることを期待しています。
この試合は全英オープンのクオリファイングシリーズのひとつで、まだ出場権を持たない選手でトップ10の中から上位3名は全英オープンの出場権を獲得します。
誰が最後の3枚の切符を手に入れ、誰がこの大会で勢いをつけてカーヌスティに向かうのか注目です。