「オフィシャルにやっているわけではないのですが、知り合いのゴルフジャーナリストの方の声がけで、休眠ゴルファーがゴルフをリスタートするお手伝いをしています。7、8人の集まりを既に2度実施して、今度は20人弱の規模で実施する予定です」
そう語るのは、マグレガーカントリークラブを運営するマグレガーゴルフジャパン株式会社の松下健。「レジャー白書2017」によると、日本のゴルファー人口は現在550万人。「そんなにいるのか!」と思われるかもしれないが、実は最盛期に比べると1/3にまで減っており「そんなにいたのか!」というのが正しい。つまり、日本には現在ゴルフ人口に匹敵するほどの休眠ゴルファーがいるということが推定されるのだ。
休眠ゴルファーの“リスタート”の日、マグレガーCCにはメタルスパイクやパーシモン(柿の木)のドライバー持参のゴルファーたちが集まり、楽しい時間を過ごしたという。メタルスパイクもパーシモンも、もはや絶滅種。初めて見る巨大なチタンヘッドのドライバーの飛びや、ユーティリティクラブの扱いやすさに驚きつつ、10年、20年単位の眠りから覚めたゴルファーたちは楽しい時間を過ごしたという。
「ウチのゴルフ場(マグレガーCC)には練習ホールと言って、練習専用のホールがあるんです。休眠ゴルファーがいきなり本コースに出たり、スクールに通ったりするのはちょっと敷居が高い。なので、この練習ホールを利用して、久しぶりに芝の上に出て、なんとなく昔を思い出しながら、クラブを振ってみませんかと誘ってみたら、これが結構好評なんです。今後も、継続して企画したいと思います」(松下)
休眠ゴルファーの多くは、20〜30年前、今よりはるかにゴルフのハードルが高かった時代にゴルフを始め、そのハードルの高さゆえに“休眠状態”に突入したというケースが多いようだ。昔は何万発も練習場でボールを打たなければコースに出てはいけないと言われ、用具も、プレーフィも高く、予約を取るのも一苦労だった。
今やインターネットで格安に予約がとれ、中古クラブや初心者用セットなどで用具は格安に、いいものが揃えられる。ハードルは格段に下がっている。それでもやはり、周りに「もう一度、ゴルフしてみない?」という人がいないと一歩を踏み出せないという人は少なくないだろう。
「とにかくゴルフのハードルを下げたい」(松下)という言葉に代表されるように、休眠ゴルファーの“目覚め”はゴルフ界にとって大歓迎。そこで提案。ベテランゴルファーは、身の回りの休眠ゴルファーに「久しぶりにゴルフ場に行ってみない?」と誘ってみてはどうだろう。
「ゴルフ、またはじめたいなあ」と思う人は一定数、いる。旗を振れば意外と多く手が挙がるかもしれない。挙がった手の数だけ感謝をされたり、ゴルフ仲間が増えたら儲け物のように思えるが……いかがだろうか。