同社の「TOUR B」ドライバーには、「JGR」と「XD」シリーズの2タイプがラインナップされているが、この最新モデルは「XD」シリーズの後継モデルとなる。前作の「XD」ドライバーには、「XD-3」「XD-5」「XD-7」とゴルファーの好みに合わせた形状の異なる3タイプのヘッドが用意されていたが、最新モデルでは1タイプのヘッドに集約されている。ここからもこのニュー「TOUR B XD-3」ドライバーに対する“本気度”と“自信”が伝わってくる。
従来モデルである「JGR」と「XD」ドライバーに搭載されているのが、ソールの剛性を高くし、クラウンをたわませることで飛距離を生み出すブーストパワーテクノロジーだ。今回の最新モデルには、そのブーストパワーテクノロジーをさらに進化させた、従来にない新しい発想のテクノロジーが搭載されている。そのキーワードは“筋金入り”だ。
その新発想テクノロジーとは、いったいどんなものなのか。しかし、クラブを試打する前にその内容を聞いてしまうと、余計な先入観が入ってしまい、性能を正確に評価できない。そこでまずは予備知識ほぼゼロ状態で、みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修がテスト。率直な印象を聞いてみた。
「構えたときにまず目に入るのはやはりこの“線”ですよね。おそらくこの線の効果なのだと思いますが、気持ちがいいぐらい初速が出ます。インパクトしてからボールを目で追いかけたときに、自分のイメージよりもはるか先まで飛んでいるんです。弾道測定器の『フライトスコープ ミーボ』でデータを計測しましたが、前モデルに比べて初速、飛距離ともに上回る数字が出ていますし、低スピンで弾道も強い。これだけフェースで弾くのに、一瞬ボールが食いつくような打感も上級者好み。従来モデルに比べて、飛躍的な進化を感じます」(中村)
と好印象。どころか、ここ数年の同社のクラブの中でも出色の出来だと太鼓判を押した。
さて、改めて、ニュー「TOUR B XD-3」ドライバーには、どんな新発想テクノロジーが搭載されているのか。
カーボンコンポジットのクラウンに施されたストライプ模様にそのテクノロジーは隠されている。カーボンクラウンに金属の弦(POWER STRING)を組み込むことで、インパクトでたわんだクラウンの復元するスピードがアップ。その効果によって、前モデルを超える高初速を実現しているというわけだ。
カーボンに金属弦を組み込む、この異素材ハイブリッドテクノロジーの効果は初速アップだけにとどまらない。フェース面と平行に並ぶ金属弦によって、トゥヒール方向の剛性がアップ。インパクト時のヘッドのねじれが抑制され、ターゲットに向かってボールを真っすぐ弾き返してくれる。高初速と直進性、そしてカーボンコンポジットとヘッド形状などによる低スピン化によって、飛距離性能が格段にアップしている。
「カーボン部分に金属弦を組み込むという発想は、タイヤの構造からヒントを得ているんです。タイヤのゴムの中にはスチールコードが張られていて、加重や衝撃に耐えたり、剛性をコントロールする役割を果たしています。ブリヂストンはタイヤのメーカーですから、この異素材を組み合わせたタイヤの構造を、クラブの飛距離や直進性の向上に活かすことができるのではないか。そこからカーボンに金属弦の“筋金”を入れるというテクノロジーが生まれたのです」(ブリヂストンゴルフ商品企画部・安藤靖さん)
再度、中村修のインプレッションを聞いてみよう。
「高初速と低スピンによる飛距離性能の高さはもちろんですが、ボールがよじれずに飛んでいく直進性に優れたドライバーだなと感じました。たとえば、いまのは少し球をつかまえすぎたかなと思っても、想像よりもドローの曲がりが抑えられて、フェアウェイの幅に収まってくれる。あれがカーボンクラウンの“筋金入り”効果だったんですね」(中村)
ニュー「TOUR B XD-3」ドライバーはヘッドが1タイプだが、ロフトは9.5度と10.5度が用意されている。また、ソールのセンターとヒール部に装着された2gと8gのウェイトネジを入れ替えることで重心位置を変える(SPIN CONTROL TECHNOLOGY)ことが可能。
さらにシャフトスリーブの入れ替えでフェースアングルを8つのポジションから自分の好みにアジャスト(VARIABLE ADJUST SYSTEM)できるので、プレーヤーのイメージに合わせて弾道をコントロールすることができるという。
前作モデルから大きな進化を遂げたブリヂストンゴルフのニュー「TOUR B XD-3」ドライバー。9月14日の発売開始がいまから待ち遠しい。