カーヌスティを舞台に木曜日に幕を開ける今年の全英オープン。現地で取材するプロゴルファー・中村修が出会ったのは、水不足の影響で芝が枯れてフェアウェイが硬くなり、さらに高難易度となったコースの姿だった!

ティショットもセカンドもアプローチも……全部難しい!

スコットランドはカーヌスティにきています。現地の到着したのは日曜日の夜。翌月曜日にコースに向かうと、すでに練習ラウンドをスタートしている選手たちの姿も。早速、取材を開始しました。まずは、コースの状態をレポートしたいと思います。

画像: 「1日の中に四季がある」と言われる全英オープン。上着を羽織って練習する市原弘大(左)と小林正則(右)

「1日の中に四季がある」と言われる全英オープン。上着を羽織って練習する市原弘大(左)と小林正則(右)

さて、コースはここ最近天候がずっと良かったらしくフェアウェイの芝が水不足で枯れ気味。芝の種類はフェスキュー、ベント、ポアナが組み合わさった状態のようですが、とにかくフェアウェイが硬い。練習ラウンドしていた小林正則プロ曰く「フェアウェイが硬くて5番アイアンで270ヤード地点まで転がっていた」というほどです。

その上、フェアウェイは平坦ではなく凸凹していて、跳ね方によってはフェアウェイサイドのバンカー方向に跳ねることもあります。キックは一見運次第に見えますが、よく見ると正しいラインに打ち出せばベストポジションまで運んでくれる、正解ルートがあるようです。

しかし、そのルートに運ぶためにはバンカーの横をギリギリ通すような正確性が必要。「とりあえずフェアウェイの真ん中に打って行けばOK」というようなイージーさはありません。フェアウェイの幅は広いところでは30から40ヤードありますが、グリーンに近づくにつれ20ヤード程度に狭くなります。

硬くて狭いフェアウェイに打っていくため、ティショットに用いるクラブの選択肢はアイアンから、2番アイアン(ユーティリティ)、3番ウッド、ドライバーのどれもありえます。

画像: アイアンか、ドライバーか、ユーテリティか……ティショットでのクラブ選びから注目だ。写真はティショットを放つロリー・マキロイ

アイアンか、ドライバーか、ユーテリティか……ティショットでのクラブ選びから注目だ。写真はティショットを放つロリー・マキロイ

たとえばアゲンストなら4番アイアンで打ったボールと3番ウッドで打ったボールがほぼ同じ場所に止まっていることも珍しくないし、フォローならドライバーで400ヤード近くまで転がることも普通にありそう。ティショットでの選手たちのクラブ選択から、まずは注目してもらいたいですね。

さて、万が一フェアウェイを外すとそこにはラフやヒース(荒地、およびそこに群生する植物)が待っているのは全英オープンならでは。ただ、暑さのせいでそれほど密集しておらず、打てないことはありません。もちろん場所によっては出すだけになる深さになるところもありますが……。

恐ろしいのはバンカーです。フェアウェイにあるバンカーはたいていグリーンに向かって壁が反り立っていて、転がって入るとほぼその壁に張り付いてしまい、脱出するだけでも難しくなります。

画像: 全英名物の深いバンカーからの脱出に挑む谷原秀人。トッププロでも脱出するだけで精一杯というケースも

全英名物の深いバンカーからの脱出に挑む谷原秀人。トッププロでも脱出するだけで精一杯というケースも

さて、なんとかティショットをフェアウェイに置いたとしても、安心はできません。グリーンへ打つショットでは、とにかく花道というかグリーンへの間口が狭い! グリーンサイドのバンカーが、グリーン横だけでなく狭い「入口」の右か左に、ほとんどのホールで存在しているんです。そのせいで、たとえ転がして乗せようと思っても、グリーンの幅の半分程度、およそ10から15ヤードの幅にコントロールできないと、バンカーやラフにつかまってしまいます。

グリーンサイドのバンカーはグリーンの周りの芝が短く刈られているせいで、転がってバンカーに入る可能性も高く、とくにピンを狙った場合に、ミスをするとトラブルになるように設計されているようです。ただ、グリーンに向かって壁が高くなるようにあごがあるものの、世界のトッププレーヤーにとってはそれほど難しくはありません。とはいえ、運が悪ければスタンスがとれないような場所に止まる可能性もあるので、バンカーのどこにボールが止まったか、それが確認できるまでは安心できません。

画像: グリーン周りからのアプローチは、多くの選手がとくに入念に練習していた

グリーン周りからのアプローチは、多くの選手がとくに入念に練習していた

グリーンに乗せるのが簡単ではないため、グリーン周りからのアプローチを各選手入念にチェックしています。使用クラブはウェッジだけでなく、7番アイアン、ユーティリティ、そしてパターと多彩。たとえばエッジまで20ヤード、ピンまで20ヤードとすると合計40ヤードのアプローチをパターやユーティリティで転がす、そんなシーンが多く見られると思います。

「芝が薄く、地面も硬いのでそのほうがやっぱり寄せやすい。2、3メートルを残してそれをどれだけ入れられるか」(宮里優作)

アプローチの重要性は、2016年の全英オープン王者、ヘンリク・ステンソンもショットはせずにグリーン周りの寄せの練習だけをしながら18ホール回っていたことからもよくわかります。宮里優作選手も、腰の状態が思わしくなく、月曜日の練習ラウンドはショットは打たずにグリーン周りとグリーン上だけの練習として大事をとっていました。

画像: 「色彩のないコース」を制するのは……一体誰だ!?

「色彩のないコース」を制するのは……一体誰だ!?

1968年にカーヌスティで開催された全英を制したゲーリー・プレーヤーが、このコースを「色彩のないコース」と表現したそうですが、同感です。垂れ込める雲、ところどころ枯れた芝、荒地に生い茂る草……このタフなコンディションを制するのは一体誰か。楽しみにしたいと思います。

撮影/姉崎正

キャロウェイ

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