ついに幕を開けた2018年の全英オープンに、日本からは10選手が出場する。様々な思いを胸に、様々な戦略でコースに挑む10人のサムライたちの様子を、現地で取材するプロゴルファー・中村修がレポート!

日本勢として初日最初にスタートしていく小平智選手。全英オープンは2016年以来の出場ですが、水曜日の練習ラウンドは、肩が張っているらしく、大事をとって5番で切り上げていました。日本人選手の中で一番と言っていいほど、非常に落ち着いている様子が特徴的で、期待できそうです。

画像: 終始落ち着いた様子だった小平。前回出場の2016年は予選落ちだったが、一味違うところを見せてくれそうだ

終始落ち着いた様子だった小平。前回出場の2016年は予選落ちだったが、一味違うところを見せてくれそうだ

一方、全英オープンに出られたことが嬉しくて仕方がないという様子だったのが、“旅人ゴルファー”川村昌弘選手。「マスターズより全英に出たかった」という川村選手ですが、スコットランドは自身にとって38カ国目となり、全英のようにフェアウェイが硬いコースも、他国で経験済みなので問題ないとのことでした。

全米オープンに次いで、メジャー2試合目に挑む秋吉翔太選手は、その硬いコースに対応するため、番手の数字が見えないくらいソールをツルツルに削ったアイアンを日本から持ち込んできました。ウェッジも同様に加工したものを用意したそうですが、現地のダンロップのスタッフにさらに削ってもらっていました。クラブがフィットしているからか、調子は良さそうでした。

現在日本の賞金ランク1位の時松隆光選手は、水曜日はラウンドせず、練習だけ。名だたる選手がズラリといる中、ちょっと緊張気味にも見えましたが、彼は自分のゴルフに徹することのできる選手。試合が始まってしまえば、自分のゴルフで戦ってくれると思います。

さて、1番ホールのティショットはアイアンでいく人が多い中、「俺はドライバーかな。刻んでもそこに行くとは限らないし」と言っていたのが小林正則選手。飛距離は小林選手の最大の長所。ラフはそこまで密集していないし、バンカーだけ気をつけて、風がなければガンガン攻める姿が見られそうです。

小林選手とは対照的に、「ドライバー、1回も使わないかも」と言っていたのが市原弘大選手です。このあたり、日本人選手でも攻め方は人によって大きく変わりそうですね。

画像: 松山のドライバーは、水曜日の段階でまだ未定のようだった

松山のドライバーは、水曜日の段階でまだ未定のようだった

松山選手は、水曜日の練習ラウンドでは280ヤード先のバンカーを超え、350ヤード地点まで運ぶビッグドライブを見せてくれていました。ドライバーが復調してきたかな……と思っていましたが、徐々にボールが右に出始め、途中からクラブをテーラーメイドの「M3 460」からピンの「G400 LST」に変えていました。最終的にどちらを選ぶかにも、注目ですね。

腰を痛めて、「(コースをプレーするのは)ぶっつけ本番になるかもしれない」と言っていた宮里優作選手ですが、水曜日は松山選手、谷原秀人選手とともに、普通にラウンドしていました。腰を押さえるような素振りもなく、目一杯振るのではなく、球をコントロールしていることで、むしろいい感じにも見えました。

谷原選手は月曜日に見たときからずっと絶好調をキープしています。なにしろ球がよじれず、曲がらない。海外での試合に慣れてきていますし、コースに対する対応力もどんどん高まっている感じです。海外の試合を転戦し、メジャーの切符を自力でつかむ。やりたいことやって楽しいという感じが伝わってきます。全英オープンとは相性もいいですし、期待したいです。

画像: 池田勇太は現地のキャディを起用して、コースへの対応を図る

池田勇太は現地のキャディを起用して、コースへの対応を図る

コースに対する対応ということでいうと、池田勇太選手は現地のキャディを雇っています。かれこれ25年カーヌスティでキャディをしているというピートさんという方ですが、話を聞くと全英オープンのキャディをするのは初とのことで、ちょっと緊張しているとのこと。ただ、池田選手曰く、そんなベテランキャディをもってしても、グリーンはなかなか読み切れないようです。

10人もの選手が挑む今年の全英オープン。一人でも多くの日本人選手が予選を通過し、上位で戦う姿を見せてもらいたいですね!

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