第147回の全英オープンを制し、クラレット・ジャグにその名を刻んだ初めてのイタリア人になったフランチェスコ・モリナリ。そのスウィングを「風のゴルフのお手本」と絶賛するプロゴルファー・中井学が解説!

今回の全英を制したモリナリは、同業者目線で思わず「上手い!」と膝を打ってしまうような、実に玄人好みのプレーヤーです。

画像: 全英でイタリア人初の全英タイトルをつかみ取ったフランチェスコ・モリナリ(写真/2018年の全英オープン 撮影/姉崎正)

全英でイタリア人初の全英タイトルをつかみ取ったフランチェスコ・モリナリ(写真/2018年の全英オープン 撮影/姉崎正)

PGA(米男子)ツアーのスタッツ(部門別データ)を見ると、モリナリはストローク・ゲインド・ティ・トゥ・グリーンという指標が全体の2位。これは、ティショットからグリーンに乗せるまでのショットのスコアに対する貢献度を表す指標。モリナリがアプローチを含めて、世界最高峰のショット力を持っていることを示します。

ですが、モリナリはダスティン・ジョンソンのような飛距離もありませんし、タイガー・ウッズのように七色の球筋を打ち分けるわけでもありません。彼のストロングポイントは、「常に一定のスウィングができる」という一点に付きます。

プロゴルファーは、フォロー(追い風)だと高い球を打って飛ばしたくなり、アゲンスト(向かい風)だと低い球で曲がりを抑えたくなるもの。しかし、モリナリはそれをしません。できないのではなく、しない。そして、常に一定のスウィングをすることで、同じスピン量、同じ高さの球を打ち続けることに非常に長けている。

その能力が、ティグランドごとに違う球筋を要求される今回の全英の最終日のタフなコンディションで遺憾なく発揮されていました。どんな状況でも常に同じスウィングをする。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、プロは風やコースの状況に体が反応してしまうもの。とくに全英のような過酷なコンディションで同じスウィングを続けるのは、高い球、低い球を状況ごとに打ち分けるよりもプロにとっては難しいことなんです。 

モリナリのスウィングを一言でいえば、「手を短く使うスウィング」。遠心力を生かして、フォローで手を大きく伸ばして飛ばすジャスティン・トーマスのようなタイプとは真逆で、スウィング中に手の長さが大きく変わらない、イメージ的には左右対称で振るスウィングです。

画像: イメージ的には左右対称。風に強い軸がぶれないスウィングがモリナリの最大の武器だ(写真/2018年のWGCメキシコ選手権 )

イメージ的には左右対称。風に強い軸がぶれないスウィングがモリナリの最大の武器だ(写真/2018年のWGCメキシコ選手権 )

常に腕とクラブを体の正面にキープし、手を使わずに体幹を動かしてスウィングする。モリナリのスウィングは、私が普段アマチュアゴルファーのみなさんにレッスンしている内容そっくりそのままといった印象です。基本には忠実ですが、派手さはありません。

一発の飛びはないかもしれませんが、“一発の乱れ”もない。そして、クラブの長さに影響を受けにくく、ドライバーからウェッジまでを一定のタイミングで打てる。メンタルが強いのではなく、メンタルが乱れないスウィングと言ってもいいでしょう。

全英を制したモリナリのスウィングは、風の日のゴルフのお手本のようなスウィング。そう言っていいと思います。

キャロウェイ

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