パー5でいかにスコアを伸ばすかがカギ
今季米女子ツアーを制し、現在米女子ツアーで賞金ランキング2位と勢いに乗っている畑岡奈紗を含め、7人の日本人が出場している全英リコー女子オープンの初日を終え、比嘉真美子が6アンダーで首位に1打差の単独2位で最高にいいスタートを切った。
4日間ある長い戦いの中、まだ初日を終えただけなので気が早いかもしれないが、1977年に全米女子プロを制した樋口久子(現LPGA顧問)以来、41年ぶりのメジャー制覇は比嘉真美子によって成し遂げられるのか、非常に注目される。
比嘉の初日のスタッツを見てみる。7バーディー1ボギーで、フェアウェイキープ率は78%、パーオン率は83%とかなりの高水準だ。4つあるパー5のスコアは2バーディー、ノーボギーで2アンダーだ。まずまずの水準と言える。
6585ヤード、パー72で4日間と日本の平均的ツアーに比べたらやや長く、プレー日数も多い。4日間のトーナメントの中でもっとも重要となってくるのがパー5でのパフォーマンスだ。
ゴルフというスポーツの中で、唯一バーディの計算が安定してできるのはパー5だけ。2オン2パット、もしくは3打目を短い距離(自分の得意な距離)で勝負できるチャンスがパー3、パー4に比べ圧倒的に多いのがその理由である。
4日間のトーナメントでの鍵は、パー5でいかにしっかりとスコアを伸ばすが本当に重要になってくる。比嘉選手は初日パー5で2アンダーと悪くない。パー5で4日間平均50%以上バーディを続けられれば、優勝のチャンスはかなり広がるだろう。
この観点からすると5アンダーで3位タイのパク・ソンヒョンが非常に怖い存在だ。初日4つのパー5すべてでバーディをとっている。取るべくしてバーディを取れているということだ。彼女は今大会初日平均飛距離も比嘉より23ヤードも飛ばしており、有利なのは間違いない。
比嘉選手の今年の日本ツアーでのパー5での平均スコアは4.69で奇しくも米ツアーにおけるパク・ソンヒョンと一緒だ。ただ、米ツアーのほうがコースの飛距離が長いなかの平均なので、単純に同じとは言えず、パク・ソンヒョンに軍配が上がるだろう。
パー3、パー4でのとにかく大事なことは、パットを入れることでもフェアウェイをとらえることでもない。とにかく安全にパーオンを続けることだ。そして我慢強くパターが入るのを待つ。安定したスコアを出すのに大切なこと、それは一か八かを決めることではない。再現性の高いことをやり続けることだ。一か八かが許される瞬間は優勝争いが絡んだ、最終日の上がり3ホールぐらいだろう。
日本人選手の活躍のおかげでよりみどころ満載になった全英リコー女子オープン。ぜひ、パー5の攻め方、パフォーマンスにも注目して観戦してみてはいかがだろうか。