プロゴルファーか音楽か、2つの夢を追いかけた
RHYMEBERRY(ライムベリー)というアイドルユニットは、おそらく一般ゴルファーには馴染みがないはずだ。その特徴は、ラップとアイドルを融合させた点。いわゆるアイドルと聞いて思い浮かべるものとはちょっと違う、ハードなステージで人気を集める。
3人組ユニットのメンバーの一人にMC YUIKA(エムシーユイカ、以下YUIKA)がいる。実は彼女は、杉並学院中学時代に団体で全国2位という輝かしい経歴を持つジュニアゴルファーなのだ。
両親ともにゴルフをやらない家庭で育ったYUIKAが初めてゴルフボールを打ったのは小学校3年生のとき。家の近くにあった練習場でこどもの日に配っていたお菓子を弟ともらいに行ったことが最初の接点だったという。
そこで知ったゴルフに、少女・YUIKAは魅了される。
「親に習いたいと伝えたら、なんでゴルフ? と言われてすぐには習わせてもらえなかったんですけど、半年くらい粘って親に承諾してもらい、練習場のスクールに通い始めました」(MC YUIKA、以下同)
やがてゴルフに本気でのめり込んでいくYUIKAは、それまで通っていた小学校~高校までエスカレーター式の女子校を飛び出して石川遼が在籍していたことでも知られるゴルフの名門校・杉並学院を受験、競技ゴルフの世界へと突き進んでいく。
同期にプロゴルファー・村田理沙、2学年上に現在は男子ツアーで活躍する浅地洋佑がいるなど、ハイレベルな環境で腕を磨き、全国中学・高等学校ゴルフ選手権で団体2位の成績を残す。
「中学生時代は団体戦で成績を残すことができて、高校からはスポーツ推薦も頂いたんですが、なぜか高校に入ってからも音楽をやりたいという思いはずっとありました。中学受験時に小学生の頃通っていた音楽スクールはやめたんですが、ずっと音楽好きだったので」
関東ジュニア準優勝、東京都高等学校ゴルフ選手権優勝など戦歴は輝かしい戦歴を挙げ、もちろんプロを目指していた。しかし、それでも音楽への思いは断ち切れなかったようだ。
プロゴルファーを目指すか、音楽の道に進むか。迷いながらも競技ゴルフを続けていたYUIKAだが、「ゴルフを続けながらも、家族に内緒で自分のお小遣いをためてピアノとか機材を買って、部屋をスタジオ化していました。高校2年生の時に気持ちが大きくなりすぎて、家族に音楽をやりたいと相談したんです」と、ついには音楽の道に進むことを決意。
大学進学後は音楽スクールに通いながらオーディションを受け、自身のラップ好きも功を奏して見事「RHYMEBERRY」のメンバー入りを果たした。
アイドルとしてのライブ活動が忙しく、ラウンド機会は減ったという彼女だが、現在もゴルフ部時代の仲間とプライベートでゴルフを楽しんでいるという。アイドルでありラッパーでありゴルファー、MC YUIKAは三足のわらじを颯爽と履きこなす“ゴルフ女子”だった。