球は曲がったままでいい!
アマチュアは、“スライス=下手”と決めつけている人が多いようですが、ボールは曲がるもの。スライスしたっていいのですよ。
万年スライサーの人が、右サイドにOBがあるホールにきたら、「怖い」と思うのが当たり前ですよね。でも、間違いなくスライスするけど、どんなに曲がっても100ヤードだから、100ヤード左に向いて打ったとしましょう。もしこれでスライスを打ってボールをフェアウェイに運ぶことができたら、究極のメンタルタフネスです。どんな状況でも同じことができる、再現性が高いスウィングができるということです。
しかし、スライスするはずなのに、なぜか左に真っすぐ飛んでしまって林のなかに一直線という人は、完全にメンタルの影響を受けたことになります。同じ状況で、同じ心境で、同じ動きができないというのは、メンタルの何らかが左右しているということです。球が曲がるよりも、こういうゴルファーのほうが、ダメなゴルファーといえるでしょう。
100ヤードスライスするから、100ヤード左に向いてフェアウェイのド真ん中をキープ。2打目で使う5Iは20ヤードスライスするから、20ヤード左に向いて打ち、難なくピンに寄せる。こういうゴルフで、トッププレーヤーになったのが、往年の名選手、リー・トレビノです。彼はスライスを武器に、メジャー6勝、PGAツアー29勝をマークしたのですから、ボールが曲がることは、大したことではないのです。
ゴルフでいちばん大事なことは、「自分の描いたシナリオどおりに、いかにゲームを運べるか」です。まっすぐの球を打つよりも、どんな状況でもメンタルに影響されず、自分の持ち球どおりにボールを曲げることができる。そういう再現性を磨くことが大切で、これができるプレーヤーこそが、いいゴルファーといえるのです。
「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」(ゴルフダイジェスト新書)より