みなさんこんにちは、店長の小倉です。今年はモデルチェンジの当たり年で続々と新しいクラブが発表されています。各メーカーが独自の切り口や技術を用いて新製品の性能アピールをされていますが、その中で個人的に「おっ」となったのがテーラーメイドのツイストフェースです。
今年初めに発表されたMシリーズに採用され、先日発表された最新モデル「Mグローレ」にも搭載されていますね。この技術は、簡単に説明するとアマチュアの打点を調べ、その当たりやすい部分のフェースをあらかじめ曲げておくことでボールの曲がり幅と飛距離低下を抑えようという考え方。
では、なぜフェースを曲げておくと曲がりがおさまるのかと言うと、ヘッドのトウ側でヒットした場合、ギア効果が働いてフックスピンが掛かります(画像1参照)。反対にヒール側でヒットした場合はスライススピンが掛かります。その横回転するエリアのフェースをあらかじめ曲げておくことで、スピン量を軽減させ曲がり量を抑えようというわけです。
さらにミスしたときに低い球になりやすいトウ側はロフトが多くなるように、高い球になりやすいヒール側はロフトの少なくなるように捻じることで飛距離のロスも同時に軽減させるというアマチュアには大変ありがたい効能を持っているのです。
このフェース面の曲がり、丸みを持たせる考え方は実は昔から存在します。専用の呼び方もあり、フェースの横方向の丸みをバルジ、縦方向の丸みをロールと呼びます。このバルジとロールは、ウッド系のクラブにはほぼすべてのモデルに多少なりともついているのですが、どのモデルもほぼ均等についています。
例に挙げたテーラーメイドのツイストフェースはこのバルジとロールの量を変化させることで、ミスをさらに軽減させているのです。市場の評価も曲がりが減ったと上々のようですね。
こういった昔からある技術や考え方をさらに昇華させ、新たな技術として取り入れられるというのは、とても興味深いです。ルールで厳しくヘッドの開発が制限されてしまっている中で、さらなるクラブの進化はこういったところから生まれるのかもしれませんね。
撮影/有原裕晶