四大メジャーすべてをクラブ契約フリーの選手が制するという非常に珍しい年となった2018年。その共通点を探ってみると、まず目につくのが全員ナイキのウェアを身にまとっているという点だ。
ナイキは2017年夏にゴルフクラブ・ボール事業から撤退し、その時点でクラブ契約プロはいなくなったが、それ以降もウェアやシューズの契約は持続。クラブは違うメーカーのものを使用していても、ウェアはナイキであることから、見た目には「ナイキの選手」に見えるという巧みな戦略で、ゴルフ界における影響力を保持し続けている。
ただ一方、全員がクラブ契約フリーだけに使っているクラブはバラバラ。マスターズを制したパトリック・リードはピンのG400LSTドライバーにキャロウェイのMBアイアン。全米オープンと全米プロを制したブルックス・ケプカはテーラーメイドのM3ドライバーにミズノのJPX900ツアー、そして全英オープンを制したフランチェスコ・モリナリはテーラーメイドM4に同社のP790アイアンだ。
ただ、彼らには共通点がある。全員がタイトリストの「プロV1」ボールユーザーなのだ(リードがプロV1、モリナリ、ケプカがプロV1xを使用)。ちなみに、2017年のマスターズをセルヒオ・ガルシアが当時の契約先であるテーラーメイドのTP5ボールで制したのを最後に、プロV1シリーズは直近のメジャー7連勝となってもいる。
ナイキのウェア、クラブ契約フリー、そしてプロV1ユーザー。果たして今年のメジャー王者三人の共通点は、ただの偶然なのか、どうなのか。ひとまず次のゴルフでナイキのウェアを身にまとい、プロV1ボールを使えば、アマチュアゴルファーは基本的には全員クラブ契約フリーであるはずなので、メジャー王者の気分だけは味わえる、かもしれない。