バランスは「昔の理論」は本当か
みなさんこんにちは。店長の小倉です。みなさんはクラブのバランスって気にしたことはありますか? カタログやクラブのシャフトに貼ってあるスペックシールに書いてある「D1」「D2」とか書いてあるアレです。ゴルフ雑誌などでは、「気にするべきだ!」という意見と「昔の理論で考えられたものなので気にしても意味はない!」という意見があるように感じています。今日はこのバランスについてお話していきましょう。
クラブの「バランス」とはスウィングウェートとも呼ばれ、クラブ総重量に対してヘッドの重さの比率を示すもの。アルファベットと数字で表され、アルファベットが10の位、数字が1の位を表します。A0が一番軽く、A1、A2となるにつれクラブの重量に対してヘッドが重くなっていることを表しているのです。A9の次はB0となり、B9まで行くとC0になるといった具合ですね。
ではこのバランスはクラブの何に影響するのかという点ですが、主に振り心地に影響します。たとえば、同じ長さ、同じ総重量のクラブでバランスがC1とD1のクラブがあったとします。この2本を交互に振ってみるとC1の方がヘッドの重さを感じにくく、D1のほうがヘッドの重さを感じやすくなります。この違いが振り心地に影響してくるのです。
またバランスはクラブ総重量が同じ重さで同じ硬さのシャフトだった場合、バランスが出ている(数値の大きい)クラブのほうが先端に重さがある関係上、スウィング中にシャフトにかかる負担が大きくなるため、シャフトのしなる量が増えるといった影響があります。
では肝心のバランスは気にしたほうが良いのか? という点ですが、個人的な意見としては、「気にすべき!」です。
気にすべき! ……なんですが、バランスだけ気にしても意味がないと思っています。バランスは振り心地に影響すると書きましたが、具体的にどう影響するのかというと、テンポの取りやすさに大きく影響します。
スウィングテンポの早い方は、クイックにクラブを動かしたいため、バランスが軽めのほうが振りやすいですし、ゆったりとしたテンポの方は、ヘッドがある程度効いている重めのバランスのほうが切り返しなどのタイミングが取りやすく感じるはずです。
ですが、そもそものクラブの重さや長さがあっていなければ気持ち良くスウィングすることは難しいでしょう。
もうひとつ、クラブのバランスの役割として異なる長さや重さのクラブの振り心地をできるだけそろえるといったことがあります。ゴルフクラブの基本設計として、1Wよりも3W、3番アイアンよりも5番アイアン、9番アイアンよりもウェッジとクラブが短くなるにつれて重くなるように設計されています。
長さの違うクラブでもバランスをそろえることでできるだけ振り心地を近くしようとする考え方です。しかしこれも各クラブの長さと重さの関係がしっかりと合っていなければバランスにこだわっても効果はほとんどありません。
まとめましょう。バランスは複数のクラブを扱うゴルフにとって気にすべきものだと思います。ですが、1本だけではもちろん、複数のクラブのバランスをそろえても各クラブの重さや長さの関係が整っていなければほとんど意味がありません。
シャフトのカスタムなど特性の異なるシャフトを気軽に使えるようになったのに加え、ドライバーはA社、アイアンはB社などといったクラブのジャンルによってバラバラのブランドを使用するのが一般的になった今、各クラブの重さと長さの関係がそろっていないクラブを使っているゴルファーが増えています。
まずはバランスよりもクラブが短くなるにつれてしっかりとクラブが重くなっているのか? を確認すべきです。バランスをそろえるのに越したことはないと思いますが、そろえても他の項目をおろそかにしているのであれば、あまり効果は期待できないでしょう。