漫画の世界では、トップアマがチッパー片手に大活躍中だが……?
みなさんこんにちは、ギアオタクのショップ店長小倉です。みなさんは週刊ゴルフダイジェストで連載中のコミック「オーイ! とんぼ」をご覧になったことはありますか? その中で、アンダーパーでラウンドするような技術のある選手がチッパーを使い、ガンガン良い結果を出している場面があります。
チッパーと言えば、アプローチが苦手なアベレージゴルファーのためのクラブといった印象が強く、いわばお助けクラブとして扱われています。実際に、使っている上級者はほとんど見ませんよね。では本当に上級者が現実で使っても結果が出るものなのでしょうか。チッパーとはどんなクラブなのかを解説しながらお話してみましょう。
チッパーというクラブは、その名の通りチップショット、ボールを転がして寄せるアプローチショットに適した形に作られています。分類でいえばアイアンのグループに属し、パターのように平面を持ったグリップやセンターシャフトのようなネックはルール上許されていません。ウェッジにお助け機能が大きくついたクラブと思ってもらえば良いでしょう。
形状は、モデルによって様々な形がありますが、総じて幅広いソールとウェッジと比べるとややアップライトなライ角を持っています。
チッパーが活躍するのは、主に30ヤード以内のグリーン周り。モデルのロフト設計によってボールが飛ぶ距離が異なりますが、どのモデルもグリーンに着地してから転がるように設計されているので、あらかじめ転がりを計算して使えば大きなミスは起きにくいクラブと言えますね。
上級者が使ったら、チップインの確率が増えるかも!?
なぜチッパーがアベレージ向けのお助けクラブとされているのかですが、第一はショットのミスが起きづらいことが上げられます。チッパーの打ち方で推奨されるのが、リストを使わず、パターのようにスウィングすること。そうすることで、入射角が安定しやすくロフトなりにボールが上がり、たとえダフっても幅広いソールがミスを軽減してくれます。
通常のウェッジではうまく打てない方でもそこそこの結果を安定して出せますし、使い方をマスターすれば、チップインを狙える武器にもなるでしょう。ですが上級者で使う方はほとんどいません。それには理由があります。チッパーは色々な打ち方ができないのです。
通常のウェッジは、30ヤード以上の長めのアプローチショットや、スピンをかけて止めるといったテクニックが使えるように設計されていますが、チッパーは一つのアプローチに特化した設計になっているため、テクニックが使えないのです。
また他のクラブとの流れが全くないクラブにもなってしまうので1本だけ別の打ち方をしなければならないといったことも上級者が使わない理由のひとつでしょう。
まとめましょう。チッパーというクラブは、アプローチが苦手な人には間違いなく救世主となるクラブです。昨今のチッパーはロフトのバリエーションもいくつかあり、自分の好みの飛距離や転がりのモデルを選ぶことができるので50ヤード以内で悩んでいる方なら一度チェックする価値はあると思います。
また上級者でもバッグに本数の余裕があるなら試しに1本入れてみるのもアリだと思います。チッパーはウェッジよりラインが出しやすく、変にスピンが入らないので転がりの計算できるアプローチを安定して打てます。上級者ならばちょっと練習するだけでグリーン周りのチップインの確率をかなり高めることができるはずです。
撮影/有原裕晶