独自に考案した「ツイスト打法」で300ヤード以上飛ばす“雑巾王子”こと武市悦宏。飛距離アップのために武市がやっているのは“スイミング”。一体なんで? 自身の著書「オレって、こんなに飛んだっけ?」より、スウィング中の肩の動かし方をご紹介。

肩甲骨を動かせば、クラブを長くしたのと同じような効果が得られる

「おい、兄ちゃん!」

背中で耳覚えのない声がした。立っていたのは、フツーの格好をした、フツーの人相の紳士だった。でも、何やらご立腹の様子。話をすると、「週刊ゴルフダイジェスト」の僕の連載を読んでくれているらしいのだが(ありがとうございます)、そこで「プールで肩の筋肉を鍛えてます」と書いたことが気に食わんって言うんだ。それじゃ普通のアスリートと変わらんだろって。

確かに肩の筋肉を“鍛える”と書いたことはあったけど、筋トレのつもりではなかった。その昔、ベンチプレスのやりすぎで大失敗した経験がある。張り出した胸筋が邪魔でうまくスウィングできなくなったんだ。以来、筋トレは封印。

かといって酒飲んで寝てばかりいると健康に悪いし、ストレッチやウォーキングは欠かさずやるようにしとる。それに水泳を加えたというわけ。目的は筋肉を柔軟にして、肩甲骨の可動域を広げること。

で、肩甲骨の可動域を広げるとなぜいいかってことを説明しよう。それは、クラブが長く使えるから。「???」とよぎった人もいるかもしれないけど、そういうことなんだ。

みんなテークバックは肩を回す動作だと思っているけど、それは大間違い。もちろん動かすことは動かすけど、肩なんて頑張っても30度しか回らんわな。だから僕は右の肩甲骨を閉じる意識でクラブを上げてるんだ。試しに左の肩甲骨を広げ、右の肩甲骨をキュっと背骨に寄せてテークバックしてみて。クラブヘッドがちょっとカラダから遠くなるはず。つまり、それだけクラブが長くなったということ。

だから、さらには肩甲骨周りもクラブの一部だと思うといい。肩甲骨から指先までだいたい80センチはあるので、計算すると……45インチのクラブを使えば、75インチ以上のクラブを使ってることになるんだ。

画像: 肩甲骨を活用することで腕の長さ分クラブが長くなることになり、飛距離も伸びる

肩甲骨を活用することで腕の長さ分クラブが長くなることになり、飛距離も伸びる

ダウンスウィングはその逆。まず左足を地面に踏み込み、一気に腕とクラブを振り下ろす。閉じた右の肩甲骨を逆に広げるイメージかな。そしたら間違いなく飛ぶわ。なんたって、人より30インチも長いクラブを使ってる計算になるわけだからね(笑)。

僕はその長さを1インチでも伸ばしたいので、今日もスイミングスクールでバタフライにいそしんどる。青年男子が少ないせいで、おばちゃん達にモテモテなのはビミョーだけど、先生は“でら”可愛いで楽しいよ。そろそろ勝負パンツならぬ、勝負水着を買っとかんといかんな。

「オレって、こんなに飛んだっけ?」(ゴルフダイジェスト新書)より

撮影/姉崎正

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