入れた瞬間に基本的には1打罰を支払うことになる池。ペナルティはないものの、脱出にこれまた最低1打は要するバンカー。たとえティショットでOBを免れても、コースには100を切りたいゴルファーの前に、これら障害が立ちふさがります。
ダボでも100切りという最終ホールで、バンカーから脱出できずに2打、3打と費やしてトリ(トリプルボギー)。セカンドを池に入れ、4打目乗らず、5打目寄らずでやっぱりトリ。スコアカードには無念のピッタリ「100」の文字。“ゴルフあるある”ではあるものの、当事者としてはたまったものではありません。
では、ハザードにつかまらないためにはどうしたらいいのでしょうか。下手なんだから、練習あるのみ! それはたしかにその通り。しかし、アマチュアゴルファーよりはるかに上手いプロゴルファーでも、それこそタイガー・ウッズでも池やバンカーにボールを入れます。どんなに上手くなっても、ハザードにはつかまります。
ならば、必死に練習するよりも簡単な方法があります。ハザードに“入らない”クラブを持てばいいんです。たとえばパー5でティショットがいい当たりをして、ボールはグリーンエッジまで残り240ヤードのフェアウェイ。200ヤード地点のフェアウェイが狭くなっていて、左右にバンカーがあるとします。
タイガー・ウッズならばきっとグリーンを狙うでしょう。しかし、240ヤード先のグリーンに100を切りたいゴルファーが乗せられる確率は極めて低い。そんな状況です。
このバンカーを避けるにはどうしたらいいでしょうか。答えは簡単。200ヤード飛ばないクラブを持つだけ。届かないので、入る確率は限りなくゼロです。3打目は上手くいけばフェアウェイ。悪くするとラフですが、残り距離が短いので、パーオンのチャンスは高いに違いありません。
刻みのゴルフなんてつまらない? でも、3番ウッドを持っても240ヤード先のグリーンに乗せられないし、いたずらにバンカーにつかまる可能性が高まるだけ。リスクとリターンが釣り合いません。
もちろん、その次の一打がチョロしてバンカーにつかまる可能性はあります。その確率と、スプーンでバンカーにつかまる確率はどちらが高いのか。どちらがスコアの期待値が高まるのか。そこを考えられたらしめたものです。
パー5、セカンド、残り240と聞いて即「3番ウッドだな」と決めつけず、6番アイアンでも8番アイアンでも、ユーティリティでも、ともかくバンカーに届かず、できれば得意距離の残せる番手を選ぶ。
そんな考え方ができれば、100切りはもうすぐそこです。
撮影/大澤進二