ダスティン・ジョンソンやロリー・マキロイらトッププレーヤーがバッグに入れ、クラブ契約フリーのフランチェスコ・モリナリが全英オープン優勝時に使用していたことでも話題になったテーラメイド「ハイトウ」ウェッジ。
ハイトウにはスタンダード、4ウェイ(キャンバーソール)、ATV(All Terrain Versatility=全地形対応)グラインドと3種類のソールバリエーションが存在するが、今回試打したのはATVグラインドソールのハイトウ。
さっそくノリーがハイトウの58度を手に取る。フェース全面にスコアラインが施されていたり、名称通りにトウ側が高くなっている形状など、通常のウェッジと異なる点は多々あるが、構えたときの違和感は意外とないという。
「アドレスしたときのすわりの感じがいいです。スタンダードに構えてると(フェースが)開きやすいですし、引っかかる感じがしないですよね」と構えた見た目に好感触。そのまま何度か試打したところスピンの効いたショットが打てた。
「普通のウェッジと比べて(ボールがフェースに)乗ってる感が強いですね。『すごくスピンかかってるな』って(打って)感じるくらいすごい」(堀口)
もう一人の試打者・中村は、ハイトウの強みが十全に引き出されるのは「ラフからのショット」だと言う。
「ネックが長く高重心であることで、ラフなどの少し球が浮いてしまうところでフェースの上の方に当たっても当たり負けせず、しっかりスピンがかかってくれそうです」(中村)
長いネックとバックフェースのヒール側にある3つのキャビティポケットの効果で高重心化し、さらにスコアラインをフェースのほぼ全面に施すことで、どの部分にボールが当たっても安定してスピンがかかるようになっている。
58度に引き続き、64度を中村が試打。「さらに特徴的になっています」とそのボールを上げる性能に驚く。
「これはグリーン周りのラフとかバンカーとかで(フェースを)開かなくてもいいですね。そのままスッと打ってあげればボールの下に入ってくれる。赤道の下にクラブが滑り込んでいって、スピンもかかるしボールも上げてくれます」(中村)
「開いてそのまま低くシャローに出していけば、スピンのかかった低いボールを打てそうですね」(堀口)
中村によれば、ウェッジはそもそもロフトがある分だけ引っかけやすいクラブ。それを引っかけないようにフェースを開いて使うわけだが、ハイトウはそもそも引っかけが出にくい形状となっている。そして、64度などの寝たロフトを選べば、フェースを開かず、真っすぐ構えてそのまま打てるというメリットがあるのだという。
「開いて寄せなくちゃいけない状況で、開かなくていいというのはプロにとってもメリットです。スタンスの向き、ボール位置、手の位置……すべて変えずにいいわけですから。開かない分、ボールの下をくぐるミスを減らせるというメリットもあります。プロにとっては、グリーン周りのお助けクラブ的に使えるんです」(中村)
グリーン周り、とくにラフに強いその性能が、トッププレーヤーたちがこぞって使う理由のようだ。
協力/PGST