PGAツアーのプレーオフが終わり、米欧対抗戦のライダーカップも終わったが、PGAツアーは今週から早くも新シーズンの幕が開く。そうなるとあるのかないのかよくわからなくなってくるのが選手たちの“オフ”。海外取材経験豊富な元ゴルフ誌編集長が、トッププロたちの“オフ事情”を語る。

PGAツアーは早くも新シーズン開幕。欧州は賞金王争い佳境!

フェデックスカップ最終戦の「ツアー選手権」が終わり、欧米対抗戦のライダーカップも終わったところで、ひとまず今季のPGAツアーはひと段落ついたかのように見えるが、実は今週からまた新たに2018〜2019年度の新シーズンが始まる。

今週の「セーフウェイ選手権」(カリフォルニア州・ナパ)を皮切りに、2戦目からは舞台をアジアに移して「CIMBクラシック」(マレーシア・クアラルンプール)、「CJカップ@ナインブリッジズ」(韓国・済州島)、WGC・HSBCチャンピオンズ(中国・上海)と3試合、海外遠征が続くのだ。

以前は11月初旬に「ツアー選手権」が終わると、1月のハワイ2大会まではしばらくオフ期間があったが、スケジュールが変わって「ツアー選手権」を9月下旬に行うようになってからは、米ツアー選手も10月に開幕する初戦から出続けてスタートダッシュをかけたり、あるいは海外遠征(欧州ツアーやアジアの試合)に出かけることが多くなった。

画像: ライダーカップを終えたマキロイに、今度は欧州ツアーの賞金王争いが待っている(写真は2018年のWGCブリヂストン招待 撮影/姉崎正)

ライダーカップを終えたマキロイに、今度は欧州ツアーの賞金王争いが待っている(写真は2018年のWGCブリヂストン招待 撮影/姉崎正)

一方、欧州ツアーの選手たちにとっては、米国選手たちよりもタフなスケジュールを迎えることになる。11月中旬に行われる欧州ツアー最終戦「DPワールドツアー選手権・ドバイ」に向けて賞金王争いのラストスパートが繰り広げられるからだ。

今年は全英オープンでメジャー初優勝を遂げ、先週のライダーカップでも5戦5勝と大金星を挙げ、欧州チームのぶっちぎり優勝の立役者となったフランチェスコ・モリナリが賞金ランク1位をキープしているが、3位には同じくライダーカップで活躍したトミー・フリートウッドがつけており、以下、ローリー・マキロイ、アレックス・ノーレンと続くので油断はできない。

最終戦までは6試合あるが、WGC・HSBCチャンピオンズ以降は、ターキッシュエアラインズオープン(トルコ)、ネッドバンクゴルフチャレンジ(南ア)、DPワールドツアー選手権(ドバイ)というスケジュールになっており、体力勝負の終盤とも言える。

画像: ツアー選手権で復活優勝したタイガー。オフはトレーニングと練習に励む(写真は2018年の全米プロ 撮影/姉崎正)

ツアー選手権で復活優勝したタイガー。オフはトレーニングと練習に励む(写真は2018年の全米プロ 撮影/姉崎正)

とはいえ、世界のトッププロは、毎週出続けることはせず、せいぜい出たとしても三勤一休ペースが普通だ。大きな試合に集中するタイプであれば、もっと数を減らしてその分練習に時間を費やす選手もいる。タイガー・ウッズはその一人だ。

ただ、彼の場合は今年から来年にかけて、今までよりも少しだけ試合に出るかもしれない。去年の今頃は腰の手術後のリハビリ中で、ツアーで優勝するどころか練習もままならず、今年のプレーがどのようになるかは未知数だったと言う。

「通常オフに練習して、体を作り上げてからツアーで戦っているので、自分でもシーズン中、調子がどうなのかはだいたい把握できるが、今年に関しては去年何もできなかったので、わからないことだらけだった。でも今はもう痛みもないし、スイングもできるので、このオフにはまたトレーニングして体作りをし、練習にも励む」と語っている。

ではタイガーは年内、どんな試合に出ようとしているのか? 12月に非公式で行われる「ヒーローワールドチャレンジ」(自身がホスト)の他、今年は11月23日にラスベガスでフィル・ミケルソンと一騎打ちのイベント「ザ・マッチ」に出場することが決まっている。優勝賞金はたった1日のイベントで約10億円と破格なイベント試合だ。非公式試合とはいえ、タイガーが出てくるだけで、ゴルフ界は相当盛り上がることだろう。

画像: 欧州ツアー賞金ランキング1位のモリナリは連戦するタイプ(写真は2018の年全米プロ 撮影/姉崎正)

欧州ツアー賞金ランキング1位のモリナリは連戦するタイプ(写真は2018の年全米プロ 撮影/姉崎正)

一方で、モリナリやかつてのエルスのようにタフに各地を連戦するタイプもいる。オフの過ごし方も人それぞれで、オフがほとんどない状態で新年を迎える選手も多い。そうでない人は体作り、練習に励み、普段は転戦でなかなか会えない家族との団欒を楽しむ選手もいるだろう。だが以前に比べると、プロゴルファーのオフシーズンは全世界的に、なくなってきていると言えるだろう。

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