2000年生まれ、17歳の高校3年生。将来の夢はマネークイーンと話す、プロの試合で“出れば予選通過”で話題のアマチュア安田祐香。日本女子オープンでもローアマこそ獲れなかったものの、しっかりと予選を通過し4日間を戦い抜いた。そんな安田に自分の強みを聞いてみたら、意外な言葉が返ってきた。

まずはフェアウェイをとらえ、そこからのショットでバーディを奪う

世界女子アマチュアランキングでは日本人最高位の16位、国内外の大会で実力を発揮している安田祐香。17歳とは思えない落ち着いたプレーとキレキレのショット力が目立つ選手だが、本人はどう思っているのか。聞いてみた。

「まずティショットをフェアウェイに置きにいって、そこからショットでバーディチャンスにつけるというところが一番の強みです」(安田)

画像: まだあどけなさが残る17歳の安田祐香

まだあどけなさが残る17歳の安田祐香

「ドライバーの飛距離です」や「キレキレのショットです」という答えではないあたり、17歳にして考えながらプレーをしているということを伺わせる。この言葉の通り、日本女子オープンの2日目と3日目のフェアウェイキープ率は85%。4日間全体を通しても78%とフェアウェイキープを意識した戦い方だというのが分かる。

とはいえ、スリムな体格ながらドライバーでは240ヤードを飛ばすなど飛距離にも自信があるように感じるが、本人の答えはノー。「とくに飛ぶほうではないと自分では思っています。飛ばしというよりも体の使い方を意識しています」と話した。

「賞金を考えてパターを打つということがないので、遠慮なくガツガツ行ける」

そんな安田のスウィングを、みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修はこう分析する。

画像: オーソドックスできれいなアドレス(写真は2018年のサロンパスレディス 撮影/姉崎正)

オーソドックスできれいなアドレス(写真は2018年のサロンパスレディス 撮影/姉崎正)

「アドレスですが、姿勢がきれいで非常にオーソドックスです。そこから手首のコック(手首を親指方向に折る動き)をあまり使わずに肩のラインをしっかりと回しながらバックスウィングしていきます。おそらく、プレッシャーの中でも飛距離と方向性を出すために、手先を使わない意識で振っているのでしょう。リズムも一定なので、最終日のバックナインで優勝争いしていても、最後まで崩れにくいスウィングです」(中村)

中村が言う通り、手先ではなく体を意識した使い方で飛距離を生んでいるようだ。

最後に、レギュラーツアーにも出場し、数々のローアマを獲得してきた安田に少し意地悪な質問を投げかけてみた。安田が思う「プロとアマの違い」は?

「難しい質問ですね……私たちは賞金がないので、逆にプロよりも狙っていけることが多いのではないかと思います。プレッシャーもプロのほうが多いと思うし、(アマチュアは)賞金を考えてパターを打つということがないので、遠慮なくガツガツ行けるのがプロとアマとの違いだと思います」(安田)

プロとアマの違いをプレーの面ではなく、プレッシャーやメンタル面だと答えるあたりも、さすが安田といったところ。プロの仲間入りをして、プレッシャーの元で戦う安田の姿も早く見てみたいと思わせる逸材だ。

撮影/矢田部裕 取材大会/日本女子オープンゴルフ選手権

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