コースも着実に復旧が進んでいる
私は今、東京を中心にレッスンや講演を行っていますが、生まれは北海道の苫小牧市です。今も母親の住む実家は苫小牧にあって、今回の震源と比較的近かったため被災をしました。地震から1カ月が経ち震災直後に不足していた電力も回復をして、一部の地域を除き日常が戻りつつあると聞きます。
そんな状況で、北海道出身のプロゴルファーが被災地支援を行っています。苫小牧出身の菊地絵里香は300万円の寄付を行い、北広島市出身の小祝さくらも寄付の検討をしていると言います。
「余震などもありまだまだ不安な方も多いと思います。自分も試合の結果で北海道の人を勇気づけたいと思って頑張っています。(北海道の人の)励みになるゴルフができるようにがんばりたいと思います!」(小祝)
電力は復興しましたが、観光客の戻りは鈍いといいます。しかし被災したゴルフ場でも復旧が進んでいます。苫小牧ゴルフリゾート72では、震災直後は停電の影響もあり4日間営業ができなかったようですが、現在は復旧をしているようです。
「震災前と比べ道外からのお客様が減りましたが、震災から1か月が経ちご利用客数も戻りつつあります。震災直後はクラブハウスなどが被災しましたが、現在はプレー自体は問題なくお楽しみいただけます」(苫小牧ゴルフリゾート72 前谷支配人)
苫小牧ゴルフリゾート72では10月7日に第18回 北海道アマチュアゴルフ選手権ハンディキャップ競技が行われるため会場となる東コースと南コースは最高のコンディションに整えてあるそうです。
スループレーが基本だから、1日“ゴルフ漬け”になれる
今回の地震では苫小牧から札幌にかけての地域のゴルフ場が被災をしました。この地域は、新千歳空港からも近いという事もあり、道外客の比率が高いのが特徴です。今はラウンドを予定していた道外の人たちの予約が激減したため、スムーズにラウンドができる状況だそうです。プレーヤーが少なかったことも影響し、コースのコンディションもかなり良いといいます。
この時期の北海道は葉っぱが色づいてくる頃で、美しい紅葉が楽しめます。加えて本州に比べ気温も低いため1.5ラウンド、2ラウンドがストレスなくできます。一足先に秋冬のコーディネートを楽しむなんてこともできるでしょう。
また道内のコースは18ホールのスループレーが基本なため、午前中にラウンドを終えて午後は近隣の別コースでもう1ラウンドを楽しむこともできます。苫小牧から札幌にかけてのエリアは、比較的コースが密集しているのでこのようなゴルフ漬けの1日を送るのにもってこいの地域なのです。
千歳の空港や繁華街である札幌からコースが近いというのもメリットとなります。午前中に空港に着ければ1ラウンドできて、夜は札幌で美味しい料理! なんていうプランも余裕で組めます。練習場も広いため、半日みっちり練習してからスルーで回るというのも良いかもしれません。
ミスを恐れず思い切り打てる。ラーメンに蟹……食事も大きな魅力
本州のほとんどのコースはフェアウェイが高麗芝や野芝ですが、北海道のコースのフェアウェイはベント芝(洋芝)です。ベント芝は高麗芝や野芝ほど茎が太くないため、ボールが浮きにくく地面との隙間が小さくなります。
そのためアイアンは払うように打つより、少し上からダウンブロー気味に入れるイメージを持つとよいでしょう。ダウンブローと言っても力を込めて打ち込むのではなく、軌道の中でとらえる必要があります。腰から下の軌道をイメージした素振りをしてからショットしてください。
また、コースが広いためミスを恐れず打てるのもメリットです。練習のつもりで気持ちよく振れるので、狭いコースではできないような課題を試しながらのラウンドをすると、いつもの殻をやぶるきっかけがつかめるかもしれません。
ちなみに気温が下がってくるこの時期は、個人的にラーメンの美味しさが1.5倍になると思っています。全国的に有名な「すみれ」は札幌に行ったら必ず立ち寄りますが、時間がないときは新千歳空港にある「北海道ラーメン道場」がおススメです。ラーメン道場内の店舗はすべて制覇しましたが、オススメは「ラーメン空」です(やはり定番の味噌ラーメンが絶妙!)。札幌での夜は王道のジンギスカンを外して、カニ専門店でカニしゃぶなどもいかがでしょうか。生食はボイルとは全く別物で絶品です。
冬季クローズのある道内でラウンドできるのもあと1カ月余り。政府が支援して宿泊の割引が受けられる「ふっこう割」もスタートするそうです。この機会にぜひ一度、北海道ラウンドに行ってみてください。
最後になりますが、この震災で被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げます。道産子として少しでも力になりたいと思い、北海道のことをご紹介しました。想像もできないほど大変な思いをされた方々に、安易に頑張ってくださいという言葉をかけることはできません。目には見えないたくさんの人たちが、被災された皆様が平穏な日々に戻られることを祈り、応援していることを少しでも心の支えにしてもらえるとうれしく思います。