ゴルフを始めたい若者は多いが、その最大のハードルとなっているのが料金の高さだ。とくに首都圏では、コースが遠い上に料金が高く、遠いから丸一日が潰れるといったように、ビギナーにとっては厳しい環境となっている。では、首都圏でビギナーがゴルフを気楽に楽しむためにはどうしたらいい
のか。考えてみた。

「高い・遠い・1日潰れる」この問題をどうするか

人口が多いにも関わらず、ゴルフをスタートする環境がお世辞にもいいとは言えない。それが、首都・東京だ。首都圏のゴルフ場は総じてプレーフィが高く、土日にプレーすることを前提に考えれば往復の交通費も含めて2万円前後は必要になる。

2万円あれば買えるもの、できることは非常に多くあり、価値観や趣味の多様化の中でゴルフの競争力が相対的に低くなっているのも残念ながら当然だ。

画像: 雄大な景色の中で気のおけない仲間と1日かけて18ホールのプレーを楽しむ。これはゴルフの醍醐味だが、他の楽しみ方もあっていい

雄大な景色の中で気のおけない仲間と1日かけて18ホールのプレーを楽しむ。これはゴルフの醍醐味だが、他の楽しみ方もあっていい

ではなぜ首都圏のゴルフ場は高いのか。これも答えは簡単で、地方に比べて高めな価格設定であってもゴルファーが来るからだ。価格は需給のバランスで決まるという至極当たり前の論理がそこには働いている。多少料金が高くてもプレーしたいという熱心なゴルファーが、首都圏には多くいるのだ。

比較的年齢層が高いであろう彼らにとって、土日のゴルフ費用は可処分所得の中から余裕をもって捻出できる金額であり、ある程度腕前も高いことから、金額に見合った十分なリターン(楽しさ、リラックス・リフレッシュ効果、友人との関係強化など)を得ることができる。

つまり、首都圏のゴルフ事情においては、ビギナーだけが構造的に蚊帳の外になってしまっているのだ。貴重な土日を費やして、高いお金を支払って、先輩ゴルファーからクラブを持って走れだの、グリーン上は走るなだの、コースでは帽子をかぶれだのレストランでは帽子を脱げだのと言われて「また是非やりたい」と思ってくれたらいいが、そうならないケースもあるだろう。

では、どうすればビギナーが気楽に、そして金額的負担を減らしてゴルフを楽しむことができるのだろうか。

その答えのひとつが、河川敷ゴルフ場にある。文字通り、荒川などの河川敷に広がるゴルフ場で、プレーフィが安めの場合が多い。しかも、推薦したいのは18ホールのプレーではなく、9ホールのゴルフだ。

これは、首都圏ゴルフの参入障壁となっている、遠い(往復2時間程度かかり、しかも基本的にクルマが必要という二重のハードルがある)、値段が高い、時間がかかる(18ホールプレーすれば1日が潰れる)といった問題をほぼ一気に解決する可能性がある。

画像: 思い立ったときにすぐ行けるのも、河川敷ゴルフのメリットだ

思い立ったときにすぐ行けるのも、河川敷ゴルフのメリットだ

河川敷ゴルフ場でも当然ゴルフマナーは遵守しなければならないが、午後の9ホールプレーならば前後の組が詰まっていない場合も考えられ、ある程度気楽にプレーできる可能性がある。午後のプレーなら早起きしなくていい、というメリットも大きい。

9ホールじゃゴルフした気にならないよ。ゴルフを愛する人であるほど、そう言う場合が多いようだ。しかし、ゴルフの省時間化、言葉は悪いがお手軽化は世界的な流れであり、たとえば米国のシニアツアーでは通常のトーナメント開催コースよりはるかに距離の短いパー3コースでの試合が開催されたり、帝王と呼ばれたジャック・ニクラスも、9ホールでは物足りなく、18ホールでは長すぎるというゴルファーに向け12ホールのゴルフを提唱したりしている。国内に目を向けても、わずか9ホールで争うプロアマ混合トーナメント「MMT9」などが盛況だ。

ましてやビギナーがゴルフの楽しさを感じるには9ホールあれば足りる。そして、河川敷ゴルフ場はクラブをスウィングしてボールを青空高く飛ばし、狙ったところで止めるといったゴルフの楽しさを味わうのになにひとつ不足はない。

ビギナーにとっては、傾斜が少ないこと自体がプレーしやすさにつながり、メリットとなる。中上級者にとっても、実は慣れれば慣れるほど河川敷のゴルフは味わい深い。

画像: 手引きカートにクラブを載せてプレー。慣れるとこれが気軽でいい

手引きカートにクラブを載せてプレー。慣れるとこれが気軽でいい

たとえば、東京都北区の赤羽ゴルフ場。JR埼京線の浮間船渡駅から徒歩約10分ほどの荒川河川敷に位置するコースだ。最寄りインターチェンジからクルマで10分ではなく、最寄り駅から徒歩10分なのがポイント。ここの土日の午後のハーフプレー料金が5200円(10月の場合)。ちなみにJR池袋駅から浮間船渡駅までの運賃は、往復で330円である。これならば、若者が多いであろうビギナーゴルファーでも負担可能ではないか。

もちろん赤羽に限らず、首都近郊で土日に5000円前後で午後のハーフプレーが楽しめる河川敷ゴルフ場は少なくない。

画像: ゴルフを終えて“せんべろの街”赤羽で一杯飲んで帰るのも楽しい

ゴルフを終えて“せんべろの街”赤羽で一杯飲んで帰るのも楽しい

クラブも(気軽に楽しむ上では)14本はまったく必要ない。パター、ウェッジにアイアンが1本か2本、それにあと1本ウッドクラブがあってもなくてもいい。つまり3〜5本あれば十分。中古クラブなどを利用すれば、1万円以内で揃えられるだろう。

中古ショップ大手のゴルフパートナーでは「初めてのゴルフクラブプロジェクト」として、ビギナーにクラブを1本無料でプレゼントするという試みを実施しているから、それを利用するのも大いにアリだろう。

それでもなお、ハードルはある。ビギナーだけでコースに出るのは推薦できないし、最低限のマナーは知っておく必要がある。やはりコースに出るまでにある程度は練習しておく必要もあるだろう。それでも、ゴルフは始めるに値するスポーツだ。面白く、奥深く、生涯スポーツになりえる、長く楽しめる趣味だ。

“高い”というイメージがつきまとうゴルフだが、やりようによってはリーズナブルに楽しむことはできる。あまりハードルを高く感じずに、一度、緑のフェアウェイの上でのプレーを楽しんでもらいたいものだ。

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