パー、ボギー、ダブルボギー、トリプルボギー、クアドラプルボギー
ゴルフでは、ホールごとに定められた規定打数を「パー」と呼ぶ。たとえばパー4のホールなら4打でホールアウトすれば「パー」だ。それより1打多いスコアはボギー、2打多いとダブルボギー、3打多いとトリプルボギーとなる。
では、4打多いスコアの場合は? それは「クアドラプルボギー」。それより多いスコアは単純に「9」とか「10」のように数字で呼ばれるのが一般的だ。
ボギーはもともと“いいスコア”だった?
そもそもボギーとはなにかといえば、英語の「bogey」は“怖い幽霊”といった意味。幽霊の姿のように、なかなかお目にかかれないいいスコアという意味だったのだそうだ。やがて時代は20世紀に入り、プロの“いいスコア”がパー、アマチュアの“いいスコア”がボギーとなり、定着していった。
現在はボギーに“いいスコア”というニュアンスはないが、なるほど“アマチュアのパー”というニュアンスはなきにしもあらずで、このあたりの言葉の変化は面白い。
バーディ、イーグル、アルバトロスよりいいスコアが「コンドル」
さて一方、パーの数より1打少ない打数でホールアウトすることを小鳥を意味するバーディと呼び、以下、2打少ないスコアをイーグル(ワシ)、3打少ないスコアをアルバトロス(アホウドリ)と呼ぶ……のはゴルファーなら誰もが知っているいわば常識。
では「コンドル」は? 答えは簡単で、パーより4打少ない打数でホールアウトしたスコアのことだ。具体的には、パー5でのホールインワン(あるいは一般的ではないがパー6を2打、パー7を3打でホールアウトした場合など)を達成した場合が“コンドル”と呼ばれる。
コンドルはどうやったら出る? パー5を1打で上がったゴルファーたち
そんなのありえないだろ〜とついつい思ってしまうが、これが意外と例があるようだ。
たとえば1995年、イギリスのタインバレーゴルフクラブ・イン・クリストーの17番、496ヤードのパー5で、ショーン・リンチというゴルファーが、コンドルをなんと3番アイアンで達成したという。馬蹄型にドッグレッグしたパー5でショートカットに成功し、快挙となったようだ。
また、2002年にはアメリカ・デンバーにあるゴルフ場の517ヤードの真っすぐなパー5でも達成されているという。デンバーは通称“マイル・ハイ・シティ”と呼ばれる高地。薄い大気がボールを飛ばし、奇跡のスコアにつながったという。
一般的なゴルファーでいえば、ドッグレッグしたパー5でショートカットに成功し、そのボールがカート道で大きく跳ねて転がり、グリーン近くの岩に当たってオンしてそのままカップインするような、奇跡がいくつか重ならないとありえなさそうだが……。
一般ゴルファーであれば、バーディが1日にひとつ取れたらそれだけでうれしいもの。イーグルは夢、アルバトロスは夢のまた夢、といったところ。いずれにしても、おばけの名前がつくスコアではなくて、鳥の名前でつくスコアであがりたいというのが、全ゴルファーの願ってやまないところだろうか。
※過去に掲載した記事を大幅に加筆・再編集しました