ツアーの裏側はこうなっている!
一部練習日を一般に開放している大会以外のツアーの練習日に、選手以外でツアー会場に立ち入れる人は限られている。まずはLPGA(日本女子プロゴルフ協会)やJGTO(日本ゴルフツアー機構)関係者を含む大会運営の人々。
ツアーが始まるまでにローピングやギャラリープラザを設営したり、当日のボランティアの人たちの動きを確認したり、会場の練習場でボールを仕分けしたりなど、運営の人は大会を成功させるために練習日から働いている。
記者(プレス)のために「プレスルーム」を開設し、選手たちの練習ラウンドや試合の情報などを提供したりするのも運営の仕事のひとつだ。
そしてそんなプレスルームにいるのが、各媒体の記者たち。新聞、雑誌、テレビなど、多くの媒体があらかじめ取材申請を行い、当日会場に足を運んで選手たちに取材をする。
取材に限らず挨拶や世間話をするなど、練習日は記者と選手との信頼関係を築くチャンスでもあるので、顔を覚えてもらうためにも各媒体で「ツアー担当」というものが決まっていることが多い。やはり初対面の人よりもよく見る顔のほうが仕事もスムーズに進むのだ。
試合会場には各クラブメーカーのツアー担当もいる。契約選手のクラブを調整したり、新しいクラブを試してもらったりするためだ。ちょっとしたクラブの不調を感じたときに選手たちにとってはとても頼りになる存在でもある。
また、各クラブメーカーは「ツアーバス」という大きなバスで会場に乗り入れる。簡単に言うと「移動式クラブ工房」。ここでは契約プロから受けた難しい注文にも即座に対応できるプロが常駐しているのだ。
クラブメーカー以外にも、ウェアやサングラス、練習器具やゴルフアイテムのツアー担当が選手たちの快適なラウンドをサポートしている。やはりクラブ同様、新商品などを試してもらう場にもなっている。
最後に、選手を支える各コーチ陣やキャディたち。試合に向けての最終調整という意味もある練習日は、各コーチが選手につきっきりで指導をする場面もよく見かけられる。コーチがキャディを買って出て、練習ラウンドについていくことも珍しくない。
ギャラリーが入れない練習日は、このようにゴルフ業界で働く人たちであふれている。彼らの多くは、選手とともに、日本全国のツアー会場を今日も“転戦”している。
撮影/矢田部裕 取材大会/スタンレーレディス、富士通レディース