入場無料なのにお食事券まで付いてくる
現在(10月17〜19日)開催中の「太平洋クラブチャレンジトーナメント」は、昨年の開催時に、チャレンジトーナメント史上最高数のギャラリーを集めたという試合です。
AbemaTVツアーはどの試合も入場料無料。レギュラーツアーに比べると選手との距離が近く、若手からベテランまで出場選手が幅広いのも魅力です。
さらに、この試合に限っていえば入場ゲートで“食事券”をもらえ、ギャラリープラザで焼きそばやお弁当など好きなお店で引き換えてくれるというサービスぶり。“お弁当効果”もあってか、初日は平日とは思えない多数のギャラリーで賑わっていました。
私が取材した初日は1762人。2日目には2009人と、2000人を超えるギャラリーが来場。当然、選手にしてみてもギャラリーが多いほうがやる気も上がるというものです。同じ日に開催された男子のレギュラーツアーの入場者が3021人、女子が3292人ですから、下部ツアーで2000人超えは大健闘と言っていいのではないでしょうか。
この試合には、元中日ドラゴンズ監督の谷繁元信さんが出場したことも話題になっていましたが、本人に話を聞くと、やはりギャラリーの多さに驚いたようです。
「野球とは全然違った緊張感。全然別物です。もう少しギャラリーが少ないかと思ってたけど、結構多くて余計に緊張しますよ。70台で回るのが目標です」(谷繁)
スタートホールではティグランドをぐるっとギャラリーに囲まれ、ギャラリーに声をかけられれば気軽に答えていた谷繁さん。最下位ながらも78で回り宣言通り目標を達成したのは流石の一言。
一方、細川和彦、小山内護、宮瀬博文といったレギュラーツアーでならしたベテランプロの面々も出場しています。気持ちはもう一度レギュラーツアーに戻ろうと出場してはいるが、若いプレーヤーと回るのが楽しいと話す。
普段はレギュラーツアーのコースセッティングを担当するなど活躍の場を広げるツアー8勝、47歳の細川和彦プロは言います。
「やっぱり試合に出るのは楽しいですよ。帯同キャディを連れて来てしまうと帯同キャディ同士の組み合わせになってしまうので、あえてハウスキャディさんをお願いしていろんな人と回れるようにしています。もっと若い人がどんどん出てきてほしいですね」(細川)
飛ばし屋としてツアー4勝を挙げ48歳になる小山内護プロも若手と回るのが楽しいと話す。
「若い人と回るのは楽しいですよ。おじさんに飛距離で負けるんじゃないの? って若い人を冷やかしながらプレーしてます。自分の若いころと比べるとみんな飛ぶんですよね。やっぱりクラブとボールの進化で球離れが速いし弾きも強い。まだまだ負けないつもりでやってきますよ」(小山内)
ユーチューバーとしてゴルフの魅力を広める活動もしている中井学プロはギャラリーからの声援が嬉しかったと話す。
「『ユーチューブ見てますよ!』と声をかけられて嬉しかったです。そう言われたらサインボールを差し上げようと思っていたのですが、(想定よりも)ギャラリーが多く、僕の使うボールがなくなってしまうので途中でできなくなってしまいました。これだけギャラリーが多いと選手にとっても嬉しい限りです」(中井)
AbemaTVツアー最終戦は、10月24日から3日間、取手国際GC(茨城県)で開催されます。AbemaTVツアーの賞金王は2019年シーズン通年で、2位から20位までの選手には、前半戦のレギュラーツアー優先出場権が得られます。もちろん、選手たちにとっては喉から出が出るほど欲しい資格。だからこそ、熾烈な争いが見られるはず。
お近くの人は、ぜひ観戦に足を運んでみてはいかがでしょうか。そこでお気に入りの選手を見つけられれば、その選手がレギュラーツアーで活躍したとき、「あの選手がAbemaTVツアーでプレーしていた頃から知っている」と言えますよ!