病室らしきベッドに横たわり酸素吸引しながら笑顔を見せる金髪の女性。ウィ本人が木曜日(18日)、自身のインスタグラムに長文コメントともにアップした1枚はある意味衝撃的だった。
「MRIやレントゲン、CTを何度も繰り返し撮った結果、ドクターから裂離骨折の診断を受けました。骨が変形して飛び出し右手に悪影響を与えていたのです」
「全英女子オープン(棄権)のあと治療のため3度コルチゾン注射を打ち静養し、なんとかシーズンを全うしようと思ったのですがダメでした。KEBハナバンクを戦い終えたところで手術を受けシーズン終盤の試合すべての出場を断念することに決めました」と綴ったウィ。
今季は序盤のHSBC女子ワールド選手権で14年以来4年ぶりツアー通算5勝目を挙げたが7月以降は手首のケガの影響で出場試合が激減。
全英女子オープンを棄権したあと8月、9月はほぼ試合に出ることなく、10月序盤の国別チーム対抗戦インターナショナルクラウンで久々に戻ってくるとアメリカチーム2位の原動力になったが、韓
国で行われたKEBハナバンクで66位に沈んだあと手術を決断したという。
インスタグラムには「手術が成功したこと喜びを持ってご報告します」という一文や「リハビリをはじめる気満々。頑張ってこれまで以上に強く健康になるつもりです。絶対すぐに帰ってくるって約束
します」という前向きなコメントが綴られており、ファンにとってはうれしい限りだが、それにしてもゴルファーの運命はわからないものだ。
14歳で出場した米男子ツアーのソニー・オープン・イン・ハワイで予選通過まであと1打と迫った少女はその後、何度もプロの試合で優勝争いを演じ注目の的に。女子の枠を超え男子の試合にも積極
的に参戦しては予選落ちを繰り返したが「男子の試合で戦うのが私の夢。夢を叶えるために努力したなにが悪いの?」と開き直ることもあった。
しかしプロ入り前すでに手首のケガに悩まされており、多大な期待とは裏腹にツアー10年目で優勝は5回のみ。全米女子オープンでメジャー1勝を挙げてはいるがアマチュア時代の華々しい活躍を思
うと期待外れの感は否めない。
元祖・天才少女もすでに29歳。本人がいうようにこれからリハビリを経てより強く、より逞しくなってくれれば「じつはウィは大器晩成だったのだ」ということができるかもしれない。
「いつかすべてが完璧な意味を持つときがくる。だからいまは混乱のなかでも笑顔で、涙を流しても微笑みを忘れず、強く、そしてすべての出来事には理由があるんだということを胸に刻みたい」
ミュージシャン、ジョン・メイヤーの言葉を引用し自らを鼓舞するウィ。病室で微笑む彼女はチヤホヤされて過ごした少女時代の自分を捨て生まれ変わろうともがいているのかもしない。