1960年に開場した北海道で3番目に歴史のあるコース。9ホールを2回まわって18ホールになる。予約サイトでは予約ができなかったので、直接電話で予約する。ふらっと行ってもラウンドできるそうだが、できれば予約しておいたほうがいい。
クラブハウスにレンタカーでたどり着くと、プレーを終えたゴルファーが「何処から来たの?」と気さくに話しかけてくれる。スタート前に、ゴルフ場の人から、「カラーボールは、カラスがすぐ持っていきますから使わないほうがいいですよ」と言われる。
チェックインを終えると、乗用カートでスタートする。公道を恐る恐る超えると、9ホールの牧草地のようなゴルフ場が広がる。ティグラウンドに立って見回すと、ピンが4〜5本、目に入る。芝だけでなく色々な草が生えていて、ワイルドだ。
スタートホールのティショットを打った直後に、同伴者のカラーボールがカラスに持って行かれる。せっかく教えていただいたのに間抜けだ。しかしそんなにすぐ持っていくとは思っていないので驚いた。
前の組は4サム、我々は2サムで、すぐに追いつくが、3番ホールで「お先にどうぞ」と言われパスすることに。私がティショットを打ち終えて、同伴者が待つレディースティに行くと、白いボールを両手一杯に持っている。
聞けば、ボールをカラスに盗られるのを目撃し、白いボールを「コレ使いなさいよ」ともらった模様。地元のゴルファーのやさしさに触れながらのんびりラウンドするのは楽しい。
フラットに見えるが以外とアップダウンもあり、砲台グリーンになっていたりと、見た目よりもなかなか歯ごたえのあるコース。前半のホールからもなんとなく海は見えるが、圧巻は7番ホールのパー5。海へ向かって真っすぐな打ち下ろしだが、582ヤードと非常にタフなホール。
この日は、海に向かってフォローが吹いていたので、3オンすることができたが、アゲンストだとかなり苦労するだろう。7番のグリーンはすぐ向こうに海が見えるのでプレッシャーがかかる(実際はすぐ海ではないが、すぐOB)。
当日は地元の人は「普通」という風だが、かなりの強風だ。普通じゃない時はどんな風が吹くんだろうとワクワクする。たぶんこれがリンクスなのか?
整備されたコースでのプレーも楽しいが、根室ゴルフクラブでのゴルフは、「きっと、これがゴルフの原点なんじゃないかな?」と思わせてくれる。スコットランドまで行かなくても、日本にもゴルフの原点を感じさせるリンクスはある。根室ゴルフクラブ、ぜひ訪れて欲しい日本の隠れた名コースだ。
撮影/田島基晴