現在リランキング35位の資格でLPGAツアーに出場している安田彩乃。今季は28試合に出場しているが6月に開催された「ヨネックスオープン」の6位タイが最高順位で、予選落ちは16回と結果を出せずにいた。
日本女子オープン以降も先週までは3戦連続予選落ちだったのが、高額賞金大会である「マスターズGCレディース」では最終日最終ホールでバーディを決め、単独3位と大健闘。一気に初シードの狙える位置にジャンプアップを決めた。
安田本人は先週の試合をこう振り返る。
「最後は入ってよかったです。最終日はピン位置が難しかったんですが、攻めました。組の流れもよくてバーディ合戦になっていたので付いていこうとしました」(安田)
金澤志奈が70、原英莉花が69と同伴プレーヤーがスコアを伸ばす流れに乗れたことが、「60台で回りたかった」という宣言通りに67のビッグスコアを叩き出せた要因と自己分析。
一方、安田の好調の要因が「姿勢」にあるというのは、コーチを務める石井忍だ。
「ここのところずっと姿勢に気をつけてますね。体のアクションにフォーカスしすぎるとクラブの動きが雑になるし、クラブの動きばかりにとらわれるのも良くないのですが、今はクラブの動きと体の動きのバランスに気をつけています。姿勢に注意することで、体の動きとクラブの動きがマッチしてきた感じですね」(石井)
その結果、マスターズGCレディスではフェアウェイキープ率78.5%、パーオン率は75%とシーズン平均を大きく上回る高い数値を記録。好調なショットを背景に、3位という結果を引き寄せてみせた。
最終戦は優勝者と賞金ランク25位以内の選手など、一部の選手しか出られないため、シード権争いは「エリエールレディスオープン」までの残り3試合(次週のTOTOジャパンクラシックは出場資格なし)となる安田。現在の獲得賞金は約2000万円で、予想されるシード獲得ラインの2300万円まで、残り300万円を上乗せできれば初シードが見えてくる。
「高校生の頃からずっと見ていますが、音で表せばコツコツがピッタリの、愚直に積み重ねるタイプ」と石井が話す通り、安田は「シードが見えてきましたがやることは変わらないので、いつも通りにプレーしたいと思います」と気負っていない様子。
安田にとって来シーズンの行く末を決める分水嶺となるシーズン終盤の3試合、初シードに挑む23歳に要注目だ。