アプローチが成功するイメージと失敗するイメージ
グリーン周りからのアプローチを成功させるためにはどうすればいいのか? そんな疑問をプロの中井学にぶつけたところ、こんな答えが返ってきた。「ボールを上げる必要がなければ、とにかく転がす。それが鉄則です」。ゴルフは“ゴロフ”と昔からいわれているが、実際、その真意はどこにあるのだろうか。それについても中井は、即座にこう回答をしてきた。
「例えば、3メートル向こうにバケツがあるとして、ボールを打って入れやすいのは次のうちどれだと思いますか? 【1】バケツの口が自分の方を向いている 【2】バケツの口が真上を向いている 【3】バケツの口が反対側を向いている」
写真を見れば、誰もが即答だろう。入れやすいのは【1】である。反対に入口がある【3】など、入るわけがないではないか。
「そうです、【3】のように反対側からボールを入れるなんてありえませんよね。でも、多くの皆さんが実はコレをやりたいと願っているんですよ。そう、バックスピンで寄せたい!というのがそれです(笑)。結構無謀な寄せイメージですね。次に【2】ですが、これは高く上げて真上から落とさないと入らない。つまり、キャリーさせるポイントが1点しかなく、少しでもミスしたら成功しない(寄らない)ギャンブルショットなのです。その点、【1】は口がこちらに向いていますから、多少キャリーが変わってもバケツを飛び越さない限り入る可能性がありますし、寄せる可能性となればさらに確率が上がります。こうしたことが、ボールを高く上げるよりも、低めに出し、手前から転がしたほうがゴルフは楽だよ、という言い伝えの真意なのです」(中井)
グリーン周りになるとお決まりのようにロフトの大きなサンドウェッジ(SW)を持っていくアマチュアは多いが、決してSWで転がせといっているわけではない。自分のイメージと転がるスピードが合う、別の番手を見つけるべきだと中井はいう。
オススメの“転がしギア”は9番アイアン。
「レッスン活動してきた経験では、9番アイアンが最もランを想定して寄せやすい番手になると思います。ストロングロフトのアイアンが増えている時代ですから、PWでもいいかもしれませんが、基本的にはロフト40度くらいが適当です。それであればある程度ボールが浮くのでエッジのラフも楽に越えられ、グリーン上では安定したランを計算でき寄せやすくなります」(中井)
手前から転がせば、多少ミスっても大丈夫なんだ。そう思えるだけで、ふっと気持ちが楽になるというものだ。
「とにかく、9番と決めたら覚悟をもって、数ラウンドはそれでアプローチし続けてください。一度、転がるイメージをつかめてしまえばものすごく簡単に寄せられるようになるはずです」(中井)。
あなたもぜひお得な“ゴロフ”をお試しあれ。