井上:今回はツアー中の一日の動き方、ルーティンワークについて聞きたいと思います。大体7時半くらいがトップ(スタートの組)だよね。仮に、7時半スタートだったらまず何時に起きる? よく「何時間前に起きる」ってこだわる人いるじゃない。
幡野:3時間前に起きた方がいいとかよく聞きますね。私はギリギリまで寝てます(笑)。私の場合朝早いスタート時間だと、部屋でアップをすることが多いです。1時間半前にはクラブハウスに着くようにしているので、移動時間を除いて1時間くらい前に起きて、ストレッチやウォーミングアップをやっています。
井上:1時間前に(試合会場に)入るところからがルーティンなんだね。
幡野:私は結構準備が遅いので、1時間10分前くらいにアプローチ練習場に行って、50分くらい前にショットの練習に入ります。ウェッジからハーフショットをやって、どんどん長いクラブにしていって、ドライバーを打ったらまた短い距離に帰ってきます。球数は意識していないですね。あとは、その日のショートホールのピンポジを確認して、その距離をティアップして打ったりとか、そのくらいですね。
井上:ショット練習が終わったらパターだよね。どういう練習をしてる? 練習器具を使ったりだとか、ロングパット・ショートパットのバランスだったりとか。
幡野:最初に(カップから)1歩ぐらい先にフォークを刺して、鏡で今日のアライメントが合ってるかどうか確認します。その後は距離感の練習をするんですけど、ティを10歩のところに刺して、上りと下りの転がりを見るっていうのをやります。
井上:それ以上の距離はやったりする?
幡野:いや、しないです。……やったほうがいいですか?
井上:やったほうがいい。やってない距離、たとえば25歩のロングパットがいきなりその日のラウンドで出たりすると、プロでも距離感が合わなかったりするから大体3パットしちゃうよね。だから想定できる一番長い距離は1、2回くらいは打っておいた方がいいかな。ざっと聞いた感じだと、全体的に球数も特別決めてなくて、自分のフィーリングが良くなるまでやる感じなんだね。
幡野:はい。でも「今日の練習調子いいな~」って思いながら(いざ本番に)行くとスコアが良くないんすよね。それよりも「あ~今日(試合)出られないかも!」ぐらい調子が悪い時の方が意外と(成績が)良いんですよね。何でですかね?
井上:期待値が上がるのかな? 自分に対しての。最初はフィーリングが良くても、何か一発のミスショットに対して自分の期待値が高いから許せなくなったりとか。自分の調子が悪いと期待値は低いじゃない? だから調子が悪いなかで何とかして良いショットが出たりすると、基準が下がってるから上手くいったりだとか、そういうことはよくあるよね。じゃあ、ラウンドが終わった後はどうしてる?
幡野:ショットの練習に直行する場合が多いですね。
井上:その時も球数はあまり気にしない?
幡野:結構打つかもしれないです。その日悪かった部分を考えて打ったりとか、私はショートホールが苦手なので最近はティアップしての練習が多いです。
井上:ショートはなかなか難しいしティアップしたショットも練習量が欠けちゃうから、意識してるのはとてもいいことだと思います。アマチュアゴルファーの方もショートホール苦手って人が多いと思うし、ティアップしたユーティリティやアイアンのショットはどうしても練習量が欠けちゃうから、その辺はすごく参考になると思いますね。