「ミスに強い」として売り出されているクラブが多いが、「ミスに強い=いいスコア」とは限らないのでは? 業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が考えた。

理想のクラブって、一体どんなクラブだろうか

こんにちは。ギアオタク店長の小倉です。突然ですがみなさんが考える理想のクラブとはどんなクラブですか? どんなスウィングでも思ったところに飛んでくれるクラブ? それとも必ず300ヤード飛んでくれるクラブ? これらの例はちょっと極端ですが、ミスに強いクラブと聞くと、だれもが興味を持つところだと思います。

現に、現在の売れ筋クラブのほとんどのキャッチコピーに“ミスに強い”“曲りが少ない”などといったキーワードが並んでいます。そもそもミスに強いクラブとはどんなクラブなのか? 実際にミスに強いクラブは結果、スコアに繋がるのか。今日はそんな話をしていきたいと思います。

ミスに強いクラブとひと言で表現しても、ミスには種類があります。一般的にメーカーなどのキャッチコピーが指す「ミス」とは主に打点のズレの事が多いですね。どんなに再現性の高いスウィングを身に付けたゴルファーでもちょっとしたタイミングのズレや、ライの状況などで打点はズレます。そんなときに飛距離ロスを軽減し、曲りの幅を抑えてくれるクラブを総じてミスに強いクラブと呼んでいます。

画像: 芯を食わなかったときに曲がりを抑えてくれるのはありがたいが……それはスコアに結びつくのか?

芯を食わなかったときに曲がりを抑えてくれるのはありがたいが……それはスコアに結びつくのか?

こういった症状を抑えるには、芯を外した時にいかにヘッドのブレを少なくするかがカギとなります。今やアイアンのスタンダード形状と言えるキャビティバックはバックフェースを削り、その重さをヘッドの外周に配分することで芯を外してもヘッドのブレを抑えています。ウッド類は、重心を深くすることで同様の効果を狙っているのです。

プロでさえ打点のミスは起こりますから、小さなミスも許されないプロや上級者のクラブは、そういったミスに強いクラブになってしかるべきと思ってしまいますよね。しかしそうはなっていません。昔よりはプロも打点のミスに強いモデルを使うようにはなりましたが、まだまだクラシカルな難しいそうに見えるモデルを愛用しているプロが多くいます。なぜでしょうか。

それは打点のミスに強い性能を持たせるほど、操作性が失われるから。打点のミスに強くするためには、シャフト軸線から重心を遠い位置に設計しなければならないため、操作性を生み出す適度な重心位置と両立がしにくいのです。高い再現率を誇るプロや上級者のスウィングでは、打点のミスへの許容度を優先するより、操作性を優先した方が結果に繋がりやすいということなのでしょう。

しかしそんな中でも実は、私の知る限り操作性もありつつミスにも強いクラブというのは実際には何モデルか存在しました。しかしそういったモデルはどれも大ヒットに繋がっていません。プロにも使用者はほとんどいなかったと記憶しています。その理由はおそらくですが、操作性も良く打点のミスにも強いモデルというのは、結果につながらなかったからではないかと推測しています。

画像: プロのアイアンに刻まれた打痕が正確なインパクトを物語る。写真は日本オープン王者・稲森佑貴のもの

プロのアイアンに刻まれた打痕が正確なインパクトを物語る。写真は日本オープン王者・稲森佑貴のもの

どういうことかと言いますと、ミスしたときに飛んでしまっては、かえって傷口を広げてしまうということ。狙った距離を狙った方向に飛んでくれればまったく問題ありませんが、狙っていない方向に狙った距離だけ飛んでしまっては、それだけOBや林の奥に行ってしまう可能性が高くなるということです。アベレージゴルファーは、ミスしても飛距離ロスがないほうを喜びますが、上級者はミスしたときはちゃんと飛ばないほうが組み立てがしやすいためにそちらを好みます。

ミスしても飛んでしまうクラブは上級者に敬遠され、操作性が良いために意図しない方向に飛んでしまう操作性の良さがアベレージゴルファーにも敬遠されたのでしょう。

やや脱線しましたが、ミスに強いクラブはスウィングタイプによって結果につながる場合とつながらない場合があります。ゴルフの上手い下手に関わらず、操作性が良いクラブを使ったほうが良い結果を得られるゴルファーもいます。やさしいといわれるクラブで良い結果が得られないというゴルファーは意外と多いはず。

みなさんは、今のクラブで“ミスしても想定通り”の弾道を打てていますか? 

撮影/有原裕晶

キャロウェイ

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