日曜日に木下裕太の初優勝で幕を閉じた「マイナビABCチャンピオンシップ」。その最終ホール、逆光の中グリーンをとらえる姿は“さすがプロ”だが、アマチュアにとって逆光のショットは難しいもの。というわけで逆光の中で距離感を合わせるにはどうすればいいのか、プロゴルファーに聞いてみた。

「逆光とは、アドレスしている自分の左側から光がきている状態ですよね。そうすると、ボールの右側に影が落ち、それが邪魔になってダフリやすくなることがあります。また、ボールに光が当たることで、自分とボールとの距離感が狂い、ミスショットを誘発する危険性もあります」

逆光時に妙にミスが出るメカニズムをこう説明してくれたのは、理論派として知られるプロゴルファー・吉田一尊。これらは、サングラスをすることである程度気にならなくすることが可能で、そのためにも普段からサングラスでのプレーに慣れておくことが有効な対策になるという。

ただ、たとえ上手く打てたとしても、どうにもショートしたり、距離感が合わない気がするのだが……。

「もしかしたら、逆光になると遠近感が狂うのかもしれませんね。グリーンが近く見えて、無意識に抑えて打ったり、小さめの番手を選んでいる可能性があります」(吉田)

画像: 逆光はプロにとって苦にならない。その理由は……? (写真はマイナビABCチャンピオンシップ最終日)

逆光はプロにとって苦にならない。その理由は……? (写真はマイナビABCチャンピオンシップ最終日)

吉田によれば、マイナビABCでのプロたちのプレーを見ても明らかな通り、プロにとって逆光はあまり関係がないのだという。なぜなら、プロは見た目の感覚ではなく、グリーンエッジまでの距離、ピンまでの距離を正確に把握しているから。

「たとえば、あるプロが練習ラウンドでショット後に『いまヒールだわ』と言ったんです。フェースのヒール(手前側)に当たったという意味ですが、そのプロはおもむろに飛距離を測り出した。つまり、自分はヒールに当たるミスをした場合どれくらい飛ぶのかのデータを取ったわけです。プロでも、“今週は全部ヒールに当たる”という一日がありますが、そのプロの場合、ミスしたときの距離感もわかっているので“ミスをしてもピンに寄せられる”。そこまでやるからプロなんで、逆光くらいは問題にならないんです」(吉田)

逆光というとなんとなくショートすることが多い、そんな風に思う人は決して少なくはないと思うが、基本的にはそれは先入観である可能性が高い。まずはしっかりと自分のキャリーの距離を把握すること。その上でどうしてもミスが出やすいというのなら、逆光の影響を抑えるためにサングラスを着用するなどの対策が有効だ。

影が長くなり、逆光の中でバックナインをプレーする機会も増えるこれからの季節、頭の片隅にとどめておきたい豆知識だ。

撮影/姉崎正

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