ヘッドスピードの“6倍”の飛距離を叩き出した
一発打った試打者堀口宣篤が「いいね」と一言漏らした。世の中にあるいいものといいものを組み合わせ、奇跡のマッチングを追求する“みんなのゴルフダイジェスト商品開発部”の最新商品、グランディスタRS-Dの検証試打取材での一幕だ。
グランディスタRS-Dカスタムは、ヘッドスピードが50近いような超・飛ばし屋には合わない。つかまりが良すぎるため、左へのミスのリスクが生じるからだ。一方で、ヘッドスピード35を下回るゴルファーにも推薦できない。ヘッドスピード38m/sから42m/sのレンジのゴルファーが、しっかりと振り抜いたときに最大の飛距離が得られるようにセッティングされているからだ。
試打者の堀口には、あらかじめその旨を伝えておいた。思い切り振るのではなく、普段レッスンしている一般ゴルファーの気持ちになって振ってほしい、と。それに応えて、ヘッドスピード41.8m/sで試打してくれた堀口の計測結果は驚くべきものだった。
飛距離251ヤード。
よく、ヘッドスピードの6倍が計算上の最大飛距離だなどと言われるが、41.8に6をかけると250.8となるから、251ヤードというのは“理論上の最大飛距離”ともいえる。みんなのゴルフダイジェスト商品開発部としては、もちろん「良いものだ」と自信を持ってクラブを世に出しているのだが、この結果には正直に申し上げて担当者が一番驚いた。一発の飛びよりも、ボールのつかまり、顔の良さ、打感の良さ、振ったときの気持ち良さ。それらを重視したにも関わらず……飛ぶ!
データを仔細に見ていくと、ヘッドスピード41.8m/sに対してボール初速が60.4m/sとかなり出ていることがわかる。打ち出し角は12.5度、スピン量は2098回転とかなり少なく、中弾道の低スピンライナードローで飛ばせていることがわかる。打ち下ろしの左ドッグレッグでこのボールが打てたら、
一体どこまで到達するか……そんなことを想像すると楽しくなってくる。
「すごく走るシャフトと、すごくやさしいヘッドの組み合わせという印象ですね。シャフト自体がよくしなるので、自然にゆっくりとスウィングできるのですが、ハーフウェイダウンからフォローにかけては非常にシャープに走ってきます。シャフトが走ってくる中で、受け止めるヘッドの打感は非常にソフトで球離れが早すぎないのも好印象です」(堀口)
もう一人の試打者で、今回のRS-Dカスタムの企画にも当初から携わっているプロゴルファー・
中村修の試打結果も見てみると、41.6m/sに対してボール初速は60.3と、堀口の試打結果と非常に近しいものとなった。
打ち出し角は10.3度、スピン量は1865回転で、ボールの傾きはドローバイアス。別の人間が打っても、同じように風に負けない中弾道ライナードローが出るという結果となった。風の吹く季節はボールをあまり空中に上げたくないものだが、まさにピッタリのスペックと言える。
グランディスタRS-Dカスタムはワンスペックしか用意されていない。ロフトは10度。シャフトはSでもRでもないカスタム仕様のスペシャルフレックスだ。この組み合わせがベスト。ヘッドの開発者であるプロゴルファー・吉田一尊がそう断言したことで、このスペックとなっている。
総重量302-304グラムは少し重めに感じるかもしれないが、ヘッドスピード38〜42m/sあれば大丈夫、振り切れる。シャフトの長さは45インチと振りやすく、しっかりと振り切って、その上で飛ばせるスペックとなっている。
違和感なくアドレスできる顔の良さ。シャープなのによくしなる高弾性のシャフト。そして手に伝わる軟らかい打感が、ゴルファーのポテンシャルを解放してくるからこその、飛距離性能。
ゴルフ場に行くのが楽しみになるドライバーが、完成した。