アマチュア15歳で優勝して以来プロ初優勝を上げるまで5年。その年月分の成長があったということでしょう。
勝みなみ選手の日本女子プロゴルフ協会公式サイト内のプロフィールには「師弟関係」の項目がありません。コーチをつけずに自身で試行錯誤しながら続けてきた点は松山英樹や石川遼と同じですが、「富士通レディース」で西山ゆかり選手のコーチ役で来場していた芹澤信雄プロから「体をもっと回した方がいい」とアドバイスを受けたとのこと。それ以来ショットが劇的に改善したといいます。
もともと実力は十二分にある選手。芹澤プロの一言をきっかけとして、一気に復調するあたりはさすがの一言です。
さて、勝選手のスウィングは、まるで硬いゴムをねじったようなコンパクトなトップが特徴です。下半身を止めてねじるのではなく、右の腰から始動するように動かしつつ、体幹部にはしっかりとテンションがかけられているのが特徴的。平均飛距離245.44ヤードで11位という飛ばしの源は、この体幹部にテンションを保ったままねじることで生まれています。
もともと手先の動きは少ないタイプなので、体の動かし方に「これだ!」というものがつかめたとなれば、来週も好調をキープするのではないでしょうか。女子ツアーの今シーズンが来週で終わってしまうのはファンとしては残念ですが、もしまだ続いていれば、勝選手にはもっと勝つチャンスがあったように思います。
賞金女王に輝いた31歳のアン・ソンジュ選手は、トータルドライビング、パーセーブ率、リカバリー率で1位と、若手選手の目指すべきショットの正確性と卓越したショートゲームを兼ね備えています。勝選手も、このオフに各部門に磨きをかければ、来季以降は賞金女王争いにも絡んでくる。そんな予感をさせてくれた、プロ初優勝でした。