11月18日に閉幕した大王製紙エリエールで勝みなみがプロ初優勝を挙げた。2014年4月、KKTバンテリンレディスオープンで当時15歳の勝みなみはアマチュアで優勝して以来5年ぶりの優勝となった。芹澤信雄プロからのアドバイスでショットが劇的に変化したという。勝みなみのスウィングをみんなのゴルフダイジェスト編集部のプロゴルファー・中村修が解説。

アマチュア15歳で優勝して以来プロ初優勝を上げるまで5年。その年月分の成長があったということでしょう。

勝みなみ選手の日本女子プロゴルフ協会公式サイト内のプロフィールには「師弟関係」の項目がありません。コーチをつけずに自身で試行錯誤しながら続けてきた点は松山英樹や石川遼と同じですが、「富士通レディース」で西山ゆかり選手のコーチ役で来場していた芹澤信雄プロから「体をもっと回した方がいい」とアドバイスを受けたとのこと。それ以来ショットが劇的に改善したといいます。

画像: プロ初優勝を挙げた勝みなみ(写真は2018年の大王製紙エリエールレディス 撮影/姉崎正)

プロ初優勝を挙げた勝みなみ(写真は2018年の大王製紙エリエールレディス 撮影/姉崎正)

もともと実力は十二分にある選手。芹澤プロの一言をきっかけとして、一気に復調するあたりはさすがの一言です。

さて、勝選手のスウィングは、まるで硬いゴムをねじったようなコンパクトなトップが特徴です。下半身を止めてねじるのではなく、右の腰から始動するように動かしつつ、体幹部にはしっかりとテンションがかけられているのが特徴的。平均飛距離245.44ヤードで11位という飛ばしの源は、この体幹部にテンションを保ったままねじることで生まれています。

画像: 右の腰から始動し、硬いゴムをねじり上げるようにトップまで上がっているのがわかる(写真は2018年のヤマハレディースオープン)

右の腰から始動し、硬いゴムをねじり上げるようにトップまで上がっているのがわかる(写真は2018年のヤマハレディースオープン)

もともと手先の動きは少ないタイプなので、体の動かし方に「これだ!」というものがつかめたとなれば、来週も好調をキープするのではないでしょうか。女子ツアーの今シーズンが来週で終わってしまうのはファンとしては残念ですが、もしまだ続いていれば、勝選手にはもっと勝つチャンスがあったように思います。

賞金女王に輝いた31歳のアン・ソンジュ選手は、トータルドライビング、パーセーブ率、リカバリー率で1位と、若手選手の目指すべきショットの正確性と卓越したショートゲームを兼ね備えています。勝選手も、このオフに各部門に磨きをかければ、来季以降は賞金女王争いにも絡んでくる。そんな予感をさせてくれた、プロ初優勝でした。

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