2002年の丸山・伊澤ペア以来の優勝なるか
1953年にカナダカップとして始まったワールドカップは今回で59回目を迎えます。1957年霞ヶ関カンツリー倶楽部で行われた大会では中村寅吉・小野光一ペアが最終日アメリカチーム(サム・スニード、ジミー・デマレ)の猛追を振り切って優勝して、日本にゴルフブームが訪れたと言われています。
2002年のメキシコ大会では 伊澤利光・丸山茂樹ペアがやはりアメリカチーム(フィル・ミケルソン、デビッド・トムズ)の猛追を振り切って優勝を果たしました。
これで3大会連続でオーストラリアのメルボルンでの開催となりますが、今回もメルボルンの歴史ある名門コースでメトロポリタン・ゴルフクラブがその舞台となります。
これまでオーストラリア国内のメジャートーナメントも何度も行われてきましたが、私の記憶で一番残っているのは2001年に行われたWGC-アクセンチュア・マッチプレー選手権。
私自身も出場して1回戦で地元のロバート・アレンビーに敗れてしまいましたが、この大会では谷口徹選手が2回戦で当時第1シードだったビジェイ・シンを破り、ベスト8で実現した日本人対決では丸山選手に勝ち、決勝行きは惜しくも逃しましたが、3位決定戦ではアーニー・エルスを破る快進撃を見せました。
コースには103個のバンカーが点在していますが、グリーンサイドのバンカーが非常に特徴的です。
グリーンとバンカーの間にカラー部分やラフがなく、グリーンからいきなりバンカーになっています。
グリーンも非常に硬く、最初練習ラウンドしたときはグリーンに着弾した球を見てスプリンクラーヘッドにでも当たったのかと思ったほどでした。全英オープンでも実績がある谷原選手とやはりグリーンが硬く風が強いヘリテージを制した小平選手が組む日本チームには大いに期待したいと思います。
優勝候補筆頭はアメリカ。イギリス、そしてベルギーも要注意!?
私が考える優勝予想大本命はマット・クーチャー &カイル・スタンリーのアメリカチーム。クーチャーはこれで4週連続での試合ということで疲れはあるかもしれませんが、先日ツアー8勝目を果たし、先週オーストラリア入りして1戦やってるので時差ボケも解消し、先週よりは体調面はかえって良いのではないかと思います。2011年大会ではゲーリー・ウッドランドと組んで優勝経験もありますし、ライダーカップやプレジデンツカップでの4サムや4ボールの実績は申し分ありません。
パートナーのスタンリーはPGAツアー屈指のボールストライカーで、トータルドライビング、パーオン率ともに2年連続でトップ5に入っていてダブルスを組む相手としては非常に安心出来るタイプのプレーヤーです。2014年にはオーストラリアン・マスターズでこのコースを経験していることもあり頼もしい存在になりそうです。
その次がイングランド。イアン・ポールターとティレル・ハットンが組みます。ポールターは2001年の御殿場大会で初めて出場し、そのときはポール・ケーシーと組んで5位に入りました。それ以降6回のライダーカップ、さらに4回のワールドカップに出ましたが、チーム戦になったときのポールターの強さは今さら説明するまでもありません。
ハットンはワールドカップは初出場になりますが、9月にライダーカップという大舞台を経験しました。ここ数試合の成績も安定しています。実力上位のふたりが組むこのチームは間違いなく優勝候補でしょう。
ダークホース的な存在で楽しみなのがベルギーチームです。トーマス・ピータースとトーマス・
デトリという若いふたりが組みます。子供の頃から友達で、ジュニア時代ヨーロッパ代表でチーム戦に出たり、ベルギー代表で世界アマにも2回一緒に出場しています。イリノイ大学ではチームメイトでした。
ピータースは2016年のライダーカップで大活躍し、前回のワールドカップにも出場しています。デトリは初出場になりますが、3週前のトルコでは優勝争いをして3位タイ、2週前の南アフリカでも7位に入り好調です。これほどチームワークが良さそうなコンビはなかなか見当たらないかもしれません。
今回のワールドカップに出場する多くの選手が2020年の東京オリンピックにも出場するでしょう。
そういう意味でもとても楽しみな1戦です。