欧米にもビジネスを展開する上で、世界にアピールする場が必要だった
みんなのゴルフダイジェスト編集部(以下、編集部):本間ゴルフが欧州ツアーの開幕戦のメインスポンサーになったのは、どういう経緯で、どういう狙いがあるのでしょうか。
菱沼信之氏(以下、菱沼):本間ゴルフは日本を含め、アジアでは知名度も高く、高級ブランドとしてビジネスを展開していました。2010年に新しいオーナーに変わり、欧米にもビジネスを広げようという戦略になり、世界にアピールする場がブランドとして必要だったんです。欧州ツアーの開幕戦に冠をつけられたのは、世界に向けていいアピールになると思います。
もちろん、香港で上場している(本間ゴルフは2016年10月に香港株式市場に上場)こともありますし、外資の企業が日本で展開する、日系企業が海外で展開するのとは異なる、両方のコラボレーションができるというのがホンマブランドの強みでして欧州ツアーとの縁もあっていいシナジーが発揮できてきた一つの要素だと思います。
編集部:つい先日PGAツアーの来年の日本開催(ZOZOチャンピオンシップ)が発表されました。ホンマ香港オープンも含め、日本のゴルフ界のグローバル化がますます進みそうな印象です。
菱沼:選手もマスターズチャンピオンのパトリック・リードやトミー・フリートウッド、セルヒオ・ガルシアなど欧州ツアーのスター選手も出場していて、個人的にも非常に楽しみなんです。出場選手たちに対しても、冠のスポンサーとなることで、ホンマのブランドここにありではないですが、認知度を高めることになります。
まだツアーバスの用意はないのですが、今後ホンマブランドのクラブが高級なものだけではなく、アスリート向け、ツアー向けのものもあるということが選手の中でも認知されれば、各国でいい影響が与えられるのかなと思っています。
編集部:ツアー選手といえば、噂されている大型プレーヤーとの契約など、本間ゴルフのビジネス時代がグローバルな方向に進んでいるようにも思えますが?
菱沼:日本国外の動きが活発なので、日本から出ていくのかという声を聞いたことがあるのですが、まったくそういうことではなく、海外に展開するからこそ日本国内をより強固なものしていかなければならないと思っています。決して外ばかり向いているわけではありません。
編集部:香港のオーナーという点も本間ゴルフの強みになっていますか?
菱沼:ホンマのユニークなところは、新しいものを取り入れながら日本のクオリティとグローバルスタンダードの両方を持つところです。欧州ツアーを主戦場とする谷原選手の活動はブランドが目指すところでもあります。酒田工場(山形県)の職人的なモノ作りと、新しいアイデアを含めたイノベーションがこれからのホンマの進む方向だと考えています。
撮影/姉崎正