契約フリー、トミー・フリートウッドもお気に入り
タイガー・ウッズ、ジャスティン・ローズ、ダスティン・ジョンソン、ジョーダン・スピース……他にも枚挙にいとまがないが、彼らはすべて日本メーカーのシャフトを愛用している選手たち。ちなみにタイガーとローズは三菱ケミカル、ジョンソンはフジクラ、スピースはグラファイトデザインのシャフトを使用している。
彼らはこれら日本メーカーと使用契約を結んでいるわけではなく、いわば世界中のシャフトの中から日本メーカーのものを“指名”している。そもそもシャフトの使用契約を結ぶ選手が少ないということもあるが、それだけ日本メーカーのシャフトが信頼されているという証でもあるだろう。
クラブ契約フリーの立場でツアーを戦う欧州のトップ選手、トミー・フリートウッドは、三菱ケミカルの「クロカゲシルバーデュアルコア(70グラム台、硬さTX)」を使う“日本のシャフトユーザー”の一人。先週開催されたホンマ香港オープンの練習日に話を聞くと、彼は愛用シャフトの魅力をこう語ってくれた。
「パフォーマンスと操作性が自分に合っているんだ。特定のシャフトをこんなに長い間使っているからね。どんなドライバーヘッドが来ても、迷わずミツビシシャフトを挿しているよ。自分に合っているしとても気にいっていて、長いこと使っているし、今後も使っていくつもりだ」(フリートウッド)
同会場にいた某米国メーカーの欧州ツアー担当は「1位はミツビシ、2位はフジクラ、3位はグラファイトデザインが人気だよ」と教えてくれた。
「やっぱりミツビシが一番しっかり感が強いよね。逆に、グラファイトデザインはしなりが強い。その中間がフジクラというイメージだね。フジクラの『TR』も最近は人気があるけど、しっかりしていて、ハリのあるものを欧米の選手は好む傾向がある。やっぱり、パワーがあるからね」
日本のシャフトのストロングポイントはやはり品質。そして飛びにある。ただ硬いだけでなく、硬さの中にしなりがあり、そのしなりが飛距離につながるというわけだ。日本メーカーのプロダクトが世界のトッププロを唸らせている。その技術力に拍手を送りたい。
写真/姉崎正