クラブは上がりやすくして、スウィングは上げにいかない
「クラブへのこだわりの一番はやさしさですね。少し芯を外したときの方向性のズレだったり、飛距離のロスだったりが少ないものを選んでいます。どうしても、難しいと感じると球を上げにいこうとしてしまったりするので」
14本のセッティングについてそう答えてくれた額賀選手。飛ばし屋というとかつては少ないロフトのドライバーを使うというイメージがありましたが、クラブとボールの低スピン化が進んだことで、そのような選手は少なくなっています。
「ドライバー(PINGのG400)のロフトも10度を使っていますし、上がりやすいクラブで逆にスウィングは上げにいかないようにしています。(上がりやすいことで)スウィングにも悪い影響が出ないところが気に入っています」
やさしさを重視しているという言葉の通り、ドライバーだけでなくアイアンもi210(3番のみi200)を使用。i210はスウィートエリアが広くミスヒットにも強いクラブで、芯を外したときの悪い打感をバックフェースにある緩衝材が取り除いてくれるのが特徴。プロにとってだけでなくアマチュアゴルフファーにとってもやさしいと感じられるアイアンです。
額賀選手は183センチと大柄ながら、入射角の浅いダウンブローで打てる選手。バックスピン量が多くなりすぎないので、球が上がりやすくやさしいアイアンの特性とスウィング的にもマッチしています。
飛ばし屋である額賀選手は、3番アイアンでも250ヤード前後を打っていくので、フェアウェイウッドはテーラーメイドのM2ツアーの3番ウッド1本のみ。その分ウェッジが52度、56度、60度と3本をセット(ピッチングウェッジを加えれば4本)し、100ヤード前後の距離の打ち分けを重視しています。ロフトセッティングも含めて、PGAツアーの選手的なセッティングですね。
アマチュアゴルフファーが額賀選手のセッティングを参考にしてもらいたい点としては、ズバリ「下が厚い」というところ。たとえば思い切って3番ウッドを抜き、ウェッジのロフトを見直してPWを含めた4本体制にしてみる。グリーンを狙うショットの距離感の調整が楽になるので、3オン1パットのパーも狙いやすいですし、悪くとも3オン2パットのボギーで切り抜けられる確率が上がるのではないでしょうか。