2019年の10月、日本ツアー初の米男子ツアー公式戦『ZOZO CHAMPIONSHIP』が開催されることが発表された。賞金総額975万ドル(約11億円)、優勝賞金1億7550万円のビッグイベントをスポンサードするZOZOの前澤友作社長が語ったゴルフの魅力がレジェンドの名言と合致した!?
「肩書きや地位を取っ払って人と人の付き合いができるのがゴルフの素晴らしさ」
週刊ゴルフダイジェストの単独インタビューでゴルフの魅力を問われた前澤社長は「一番は出会いにつながること」と語った。
ソフトバンクの孫正義会長とラウンドしたときのエピソードを引き合いに出し、一緒にお風呂に入ることでハダカの付き合いを実感。「経営者として大きな出来事になりました。まさにゴルフのおかげです」と語っていた。
その話を聞いて思い出したのが世界に5人しかいないグランドスラマー(4大メジャー制覇)のひとりゲーリー・プレーヤーのことだ。
レギュラーツアーだけでなくチャンピオンズツアーでもグランドスラムを達成したのは唯一彼だけ。83歳になったいまも世界中を駆け巡りゴルフの魅力を伝え続けるレジェンドは名言の宝庫。なかでも「ゴルフ・イズ・フレンド・メイキング・マシン」という言葉には感銘を受けた。
「マシンは比喩だけれど友達づくりにゴルフは最高の道具。1日4時間一緒に過ごせばお互いの本質が見える。肩書きや地位を取っ払って人と人との付き合いができる。それがゴルフの素晴らしさ」
しかしプレーヤーはゴルフの現状を憂いている。
「ツアーは大いに盛り上がっている。PGAツアーの賞金はかつてないほど高額で、2勝すれば私やジャック(ニクラス)が稼いだ一生分を手にすることができるようになった。ツアー選手をみて憧れる少年少女が増えるのはよいが、その一方でプロのゴルフがアマチュアからかけ離れていくのが心配」
「350ヤード飛ばすプロと200ヤードそこそこのアマチュアではゲーム自体が別ものなってしまっている」。飛べば飛ぶほどよいという風潮がプロとアマの格差を広げ「アマチュアにとってゴルフを楽しめる環境が狭まっているのではないか?」と御大は危惧しているのだ。
「(フェアウェイが)広くて平らで短いコースを増やして、道具の規制はプロだけ。アマチュアはいくらでも飛ぶボール、長尺パターを含め使いたいクラブを使えばよい。もっと気軽に楽しめる環境をつくらなければゴルフは廃れてしまう」
実際日本でも昨年のレジャー白書(2017年)を紐解くと1年で1回以上コースに出てプレーしたゴルファーが550万人で前年比27パーセントもダウンしている。またここ20年で市場規模が半分になったという報告も。
「ゴルフ・イズ・フレンド・メイキング・マシン」の金言を胸にゴルフを通して人の輪を広げたい、ゴルフを廃れさせてはいけないという思いに駆られる。
偶然だが前澤社長の名前は友を作ると書いて「友作」。日本初のPGAツアー開催のキーマンとして相応しい名前ではないか。
「ZOZO CHAMPIONSHIP」がアマチュアゴルファーにとってなんらかの効果をもたらすイベントになって欲しい。