50度ウェッジがあることで「100ヤード」がラクに打てる
「最近ウェッジを52度から50度に変えたんですが、実に使い勝手がいいんですよ」と語るのはプロゴルゴルファーの中村修。
「長らく52度のウェッジを使っていたのですが、50歳を過ぎて飛距離が落ちてきたこともあり、52度で打っていた距離を同じイメージで打てる50度にしてみたんですが、これが実にいい。52度に比べるとスピンがかかり過ぎないから、イメージ通りに止められるんです」(中村)
52度のウェッジはアプローチにも大活躍するクラブだが、50度の場合当然ながら52度より球は低くなるため、やや転がしのイメージとなる。その分グリーン奥に切られたピンなどに対し、ピッチ&ランで寄せていくのもやりやすいという。
ただ、サンドウェッジのロフトが56度ならばまだしも、58度を使っている場合、少々ロフトピッチが空きすぎてしまう心配がある。中村も58度ウェッジを使っているというが、そのあたりどうしているのだろうか。
「私の場合は50度、54度、58度と間を刻んでセッティングしています。このようにウェッジの本数を増やすと、100ヤード以内のレンジの打ち分けが非常にラクになるんです。また、52度でギリギリ100ヤード届かないという人は、50度ウェッジにすることで100ちょうどが打てるというケースもあると思います」(中村)
50度ウェッジは飛び系ピッチングウェッジとの流れが良くなる
昨今はアイアンのストロングロフト化が進んだことで、PWの次に52度を組み合わせると、ロフトピッチが空きすぎるという問題も生じやすい。
たとえば大人気モデルであるゼクシオ イレブンのPWのロフトは42度。「ゼクシオはアマチュア向けモデルだから」と思うかもしれないが、同じダンロップのプロも使うアイアン「スリクソン Z585」でも44度と52度との間には6度のロフトピッチがある。さらにハード目な「スリクソン Z785」でも46度の設定だ。
ちなみに、上に挙げた3モデルにはすべて「AW(PWの下の番手)」の設定があるが、そのロフトはゼクシオ イレブンが48度、Z785は51度、Z585はズバリ50度だ。いかに50度ウェッジが有用かが、ここからもわかってくるだろう。
もちろん、トラディショナルな形状のアイアンのなかにはもっとロフトの寝た(ストロングロフト化していない)アイアンもあるが、一般アマチュアが使うモデルのほとんどはモデルチェンジごとのストロングロフト化が世界的に進んでいる。
そのため、PWとSWをつなぐ、あるいはPWとAWとSWのあいだにさらにもう1本ウェッジを追加して、ギャップを埋める必要が生じているわけだ。たとえばPWのロフトが43度や44度なら、48度のウェッジを入れ、52度につなぐという考え方も多いにアリだろう。
ただ、ウェッジを1本増やせば、当たり前の話だが“上の番手”を1本抜く必要が生じる。3番ウッドなど使用頻度が低くミスの確率の高いクラブを抜くのはひとつの手だが、ウッドはやはり1番、3番と数字が並んでいたほうが落ち着く、という人も多いだろう。
となると、たとえば43度前後のPWの下に50度のウェッジを入れるのは悪くない選択肢だ。上の番手を減らすといったセッティング上の工夫も必要ないし、それでいてスコアメークの要所である100ヤード前後の飛距離の打ち分けがしやすくなる可能性は高い。もちろん、使用しているアイアンセットの流れの“セットのAW”を購入するというのも大いに検討の余地があるだろう。
ただ、ひとつだけ気をつけたいのは、セットのPWは、同じロフトでも単品ウェッジに比べると“飛ぶ”可能性が高いということ。アイアンセットはウェッジに比べて重心が低く、スピンをかけて球筋を打ち分けるよりもミスなく飛ばすことを重視しているケースが多いからだ。セットのアイアンの“ウェッジ”と、単品ウェッジでは、同じロフトでも飛距離差が生じる可能性があることは、頭の片隅に置いておこう。
ひとまず、今お使いのアイアンのPWのロフトは何度か確認してみてはいかがだろうか。そして、その下のウェッジとのロフト差を考える。そこに大きな開きがある場合、もしかしたら一度セッティングを見直したほうがいいかもしれない。
(2018年12月5日に公開された記事を大幅に加筆し、再編集しました)
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