究極の話をしてしまうと、ゴルフの道具はすべてが消耗品。しかし、日ごろからケアをすることでその寿命は一気に延びる。クラブばかりが取り上げられやすいが、それ以外の道具もケアが必要だと話すのは、業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。詳しく話してもらった。

ボール、グローブ、シューズ、ちょっとの手入れで“持ち”が激変する

こんにちは。ギアオタク店長の小倉です。いつもはゴルフクラブの話が多いですが、今回はクラブ以外のアイテムのお手入れ方法についてお話をしたいと思います。ゴルフは使用するアイテムが多く、これらもちょっとした手入れをするだけで寿命が大きく変わってきます。多くが消耗品でもありますのでちりも積もればじゃないですが、それらが長持ちすれば結構節約にもなるんですよ。

最初はボールの話から。ゴルフというスポーツにとってボールは1、2を争う消耗品であり、スコアにも直結する大切なアイテム。個人的にはクラブと同じぐらい大切なギアであるととらえています。ニューボールから使いだして、意外となくならないボールってたまにありますよね? プロゴルファーは、頻繁に交換する人で大体3ホール前後、長い人でもハーフで交換する人が多いようですが、シビアなコントロールを要求されるプロだからといったところでしょうか。

画像: スコアに直結するアイテムなのに気にしない人も多い(撮影/三木崇徳)

スコアに直結するアイテムなのに気にしない人も多い(撮影/三木崇徳)

個人的な感覚ですが昨今のゴルフボールは、10ラウンドぐらいは問題なく使える耐久性を持っていると思います。通常のショットなどでつく小さな傷程度でもわずかな性能低下は起きているのでしょうが、体感的にはほとんど感じたことはありません。

ただ、さすがにカード道路などに着弾して表面に大きな傷が入ってしまうとディンプルの性能が発揮されづらくなるので、弾道に影響が出る可能性があります。

気になる方はその時点で交換したほうが良いでしょう。またゴルフボールで気を付けておきたいのが保管方法です。夏場などは、キャディバッグと一緒に車のトランクなどに入れっぱなしの方が多いと思いますが、高い温度に長時間さらされていると、劣化が急激に早まり、ニューボールでも本来の性能を発揮しなくなってしまいます。ボールは常温で保管する様に心がけてください。 

次はグローブ。最近のグローブはそれほどお手入れをしなくても長持ちするものが増えましたが、それでもちょっとしたお手入れをするだけで寿命は大きく伸びます。天然皮革のモデルは特にですが、人工皮革のモデルでも気を付けたいのが乾燥です。

画像: 天然皮革、人工皮革、合成皮革などグローブの素材にも種類がある

天然皮革、人工皮革、合成皮革などグローブの素材にも種類がある

バッグなどに入れっぱなしで完全に乾燥してしまうと、折れた筋がついてしまったり本来の滑り止めの性能が失われてしまったりと良いことがありません。使い終わったら、濡れタオルなどで表面を軽く拭き、陰干ししておきましょう。可能であれば、密閉できるビニール袋(ジップロック)に保管して入れておくとしっとり感が続いて長く使うことができますよ。

最後はシューズです。様々なライからでも絶対的なグリップ力と長い距離を歩くための疲れにくさ両方を求められるゴルフシューズは様々な技術と素材が使われて作られています。性能を維持するためにも保管に気を付けたいところ。シューズの大敵は、グローブ同様乾燥です。ゴムや革などの素材を多く使用しているので乾燥してしまうと硬化してしまい、性能はもちろん履き心地にも大きな影響を及ぼします。

画像: 本革のものは濡らさないほうが良いが濡れてしまったらケアをしよう

本革のものは濡らさないほうが良いが濡れてしまったらケアをしよう

もちろん濡れたままでもダメです。性能低下ももちろんながら、臭くなります(笑)。使用後は、濡れタオルで軽く拭き、陰干ししてあげるだけで持ちが全然違いますよ。ちなみに最近のソフト鋲付きのスパイクは、芝での使用を前提としているので、練習場などのマットで使用すると鋲が割れてしまったり、取れてしまったりすることがあります。練習も本番と同じ環境でやりたいと考える方は多いと思いますが、意外とシューズにダメージを与えてしまう可能性もありますので、注意してくださいね。

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