上腕>前腕でインサイドアウト軌道なら長尺
ドライバーの飛距離を伸ばす方法はいくつか考えられるが、「長尺」はその有力な選択肢のひとつだろう。45〜45.5インチがスタンダードだとして、それを46インチ、47インチと長くすれば、その分だけヘッドスピードが上がり、飛距離は伸びる。
実際、シニアツアーで活躍する室田淳や、今もレギュラーにこだわりを見せるジャンボ尾崎も46インチや46.5インチのドライバーを使用している。
一方で、シニアの中にも東聡のように44.5インチのむしろ短尺を使うプロもいる。「46インチとか長いのも試してみたんだけれど、方向性やミート率を考えたら今の長さに落ち着いたんだよね。振り切れるから曲がらずに飛距離も出ていますよ」と東は言う。PGAツアーの選手の中にも短尺プレーヤーは少なくない。
要は自分に合っているかどうかなのだが、リアム・マクロウいわく、その相性を決めるのが、「上腕と前腕どちらが長いか」なのだという。
「肩からひじまで(上腕)の長さがひじから手首まで(前腕)の長さよりも長く、かつ軌道がアウトサイドインの人は45インチ以上のドライバーのほうがヘッドスピードも上がるし方向性も良くなります。一方、ひじから先の前腕のほうが長く、かつ軌道がアウトサイドインの人は45インチよりも短いドライバーがマッチしているんです」(マクロウ)

親指を立ててひじを曲げると上腕と前腕の長さの比率がわかる。写真のリアムは前腕が長いタイプ
マクロウたちの検証によるとギアーズ(3Dモーションキャプチャー)やトラックマン(レーダー式弾道計測器)などの機器を使って様々なゴルファーにフィッティングを行ってきた結果、82%の確率で当この“法則”が当てはまることが判明している。

上腕のほうが前腕より長い人は長尺、逆の人は短尺が合う
セミナーを受講したプロゴルファー・中村修はこう解説する。
「前腕が長いと手元が体から離れやすいので、逆の場合に比べてアウトサイドイン軌道になりやすいのかもしれませんね。反対に前腕が上腕に比べて短いということは、それだけ手元が体の近くにキープしやすく、手元が体の近くを通れば必然的にクラブはインサイドから降りやすい。インサイドアウト軌道は入射角が浅くなるので、長尺を扱いやすいというのは納得がいきます」(中村)
飛ぶと聞いて長尺を試してみたけど全然ダメ、という人が一定数いる一方、腕前を問わず長尺クラブを悠々と振れるタイプのプレーヤーもたしかにいる。上手い・下手ではなく、合う・合わないの話なので、まずは一度前腕と上腕どちらが長いかをたしかめてみてはどうだろう。
長尺か、短尺か、「飛ばせる長さ」がわかるはずだ。
協力/The Golf Lab Certified(エンジョイゴルフ&スポーツジャパン)