神奈川県出身女子プロゴルファーたちの手で立ち上げられた「神奈川レディースオープン」に出場した辻梨恵。まだ今年で二回目のできたての大会だが、地元プロのみならずゴルフ界を盛り上げたいと集まった総勢90名の女子プロゴルファー、競技を勝ち抜いてきた30名のアマチュアゴルファーが戸塚カントリー倶楽部で一緒に戦った。
自身も神奈川出身プロでもある辻。2016年に賞金ランキング46位で初シードを獲得すると、2017年は31位と順位を上げ、安定したプレーと実力で今シーズンはさらなる活躍を期待されていた。しかし終わってみると賞金ランキングは75位と奮わず、来シーズンレギュラーツアーに出場するにはQTを受けるしかなかった。結果は29位。上位30名ほどは前半戦の試合にほぼ毎試合出られる計算なので、そこで成績を挙げて後半戦の出場権確保を目指すことになる。
そんな辻に、今シーズンを振り返って足りなかったところはどこなのか話を聞いた。
「今シーズンはショットが悪くて、グリーンを外すことや乗っても遠いことが多かったんですが、ショットが悪いのはまだしょうがないとして、リカバリーできなかったのが私に一番足りないところだったと思います」(辻)
リカバリー率というのは「パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率」。本人が話す通り、辻のリカバリー率は34位で62.2837。リカバリー率トップのアン・ソンジュは69.7248と比べると、たしかにあと一歩足りないように思える。そんな中でも良かったところも聞いてみた。
「調子が悪い中でも、後半戦のほうは初日にいいスタートをきれた大会もいくつかありました。その辺は良かったなと思いますし、(良い)イメージを持ちたい」(辻)
辻の大会別の成績を見ると、特に後半戦で初日に60台で回っている大会が多い。それを3日間、4日間継続するためには、やはり今年の課題となったショット力とリカバリー力がカギになると考えているようだ。
「ショットの精度をあげるための練習をこのオフで重点的に鍛えたいと思っています。また、グリーンを外したときでもアプローチでしっかりと寄せワンをとれるように練習していこうと思います」(辻)
シードを落としたことで、自分の足りない部分、必要な部分に向き合い、それに向かってひたすら進む。来季、賞金シードを取り戻すべく戦う辻のショットの切れに注目だ。
撮影/矢田部裕