フェースの開閉を抑えてスウィングする
ブルックス・ケプカのスウィングの特徴は、スウィング中にフェースが開かないシャットフェースにあります。写真1を見てください。まず注目したいのが、グリップ。左手のナックルが3つ見え右手は横から添えるように握るストロンググリップで握っています。
ストロングで握ると、ウィークに握った場合に比べてフェースの開閉は少なくなります。そして、バックスウィングではシャフトを反時計回りにねじるように腕や手首を使いながらクラブを上げ、トップではフェースが空を向くシャット(閉じた状態)フェースになっています。
ケプカは、バックスウィングで球をつかまえるシャットな状態を作っておき、フェースの向きをキープしたままダウンスウィングに入ります。
ダウンスウィングからインパクトにかけて(写真2)を見てみましょう。フェースが閉じた状態で下りてくるので、インパクトでも腕をターンさせたりといったフェースを閉じる動きはほとんど入りません。そのため、フェースの向きが安定しやすく方向性にすぐれていると言えます。
ティショットのスコアに対する貢献度を示すストローク・ゲインド・オフ・ザ・ティという指標で2018年に9位タイを記録している通り、ティショットは大きな武器になっています。
このように、フェースの開閉を少なくし、シャットに使う打ち方は、現代の重心距離が長くなった大型ヘッドのドライバーにはマッチしています。そして、開閉が少ない分、方向性も安定します。
ただ、この打ち方で飛距離を伸ばすためには、クラブのスピードを上げられる体力が必要になります。ケプカの体を見るとまるでアメフトの選手ような張りのある体で、ポロシャツの袖も腕の筋肉でパンパンになっています。この肉体があればこその飛距離であり、世界ランキング1位に登り詰めるだけの総合力の高さにつながっているのだと思います。
2019年のメジャー大会は4月のマスターズから始まり、5月に全米プロ、6月に全米オープン、7月に全英オープンとスケジュールが変更になりました。2018年は6月の全米オープンを連覇し8月の全米プロ選手権も制したケプカにとっては吉となるようなスケジュールではないでしょうか。今年もメジャーにめっぽう強いケプカが見られるのは間違いないでしょう。