2018年は全米オープンと全米プロのメジャーで2勝を挙げ、世界ランクNo.1で2019年を迎えたブルックス・ケプカ。飛距離と正確性を兼ね備えた世界最強のスウィングをプロゴルファー・中村修が解説。

フェースの開閉を抑えてスウィングする

ブルックス・ケプカのスウィングの特徴は、スウィング中にフェースが開かないシャットフェースにあります。写真1を見てください。まず注目したいのが、グリップ。左手のナックルが3つ見え右手は横から添えるように握るストロンググリップで握っています。

ストロングで握ると、ウィークに握った場合に比べてフェースの開閉は少なくなります。そして、バックスウィングではシャフトを反時計回りにねじるように腕や手首を使いながらクラブを上げ、トップではフェースが空を向くシャット(閉じた状態)フェースになっています。

画像: ストロンググリップで握りトップではフェースが空を向くシャットフェース(写真は2018年全米オープン)

ストロンググリップで握りトップではフェースが空を向くシャットフェース(写真は2018年全米オープン)

ケプカは、バックスウィングで球をつかまえるシャットな状態を作っておき、フェースの向きをキープしたままダウンスウィングに入ります。

ダウンスウィングからインパクトにかけて(写真2)を見てみましょう。フェースが閉じた状態で下りてくるので、インパクトでも腕をターンさせたりといったフェースを閉じる動きはほとんど入りません。そのため、フェースの向きが安定しやすく方向性にすぐれていると言えます。

ティショットのスコアに対する貢献度を示すストローク・ゲインド・オフ・ザ・ティという指標で2018年に9位タイを記録している通り、ティショットは大きな武器になっています。

画像: ダウンスウィング以降もシャットフェースをキープしたままインパクトするからフェースの開閉は少ない(写真は2018年全米オープン)

ダウンスウィング以降もシャットフェースをキープしたままインパクトするからフェースの開閉は少ない(写真は2018年全米オープン)

このように、フェースの開閉を少なくし、シャットに使う打ち方は、現代の重心距離が長くなった大型ヘッドのドライバーにはマッチしています。そして、開閉が少ない分、方向性も安定します。

ただ、この打ち方で飛距離を伸ばすためには、クラブのスピードを上げられる体力が必要になります。ケプカの体を見るとまるでアメフトの選手ような張りのある体で、ポロシャツの袖も腕の筋肉でパンパンになっています。この肉体があればこその飛距離であり、世界ランキング1位に登り詰めるだけの総合力の高さにつながっているのだと思います。

画像: 2018年は「全米オープン」と「全米プロゴルフ選手権」のメジャー2勝を挙げたブルックス・ケプカ

2018年は「全米オープン」と「全米プロゴルフ選手権」のメジャー2勝を挙げたブルックス・ケプカ

2019年のメジャー大会は4月のマスターズから始まり、5月に全米プロ、6月に全米オープン、7月に全英オープンとスケジュールが変更になりました。2018年は6月の全米オープンを連覇し8月の全米プロ選手権も制したケプカにとっては吉となるようなスケジュールではないでしょうか。今年もメジャーにめっぽう強いケプカが見られるのは間違いないでしょう。

画像: シャットフェースに注目!ブルックス・ケプカのスウィングを分析してみた【スウィング大辞典】 youtu.be

シャットフェースに注目!ブルックス・ケプカのスウィングを分析してみた【スウィング大辞典】

youtu.be

This article is a sponsored article by
''.