2019年を世界ランク14位で迎えるジェイソン・デイ。メジャー、そして世界ランク1位奪還を狙う年となる。そんなデイの14本はこのようなものだ。
1W:テーラーメイド M3(9.5度)
3W:テーラーメイド M4HL(16.5度)
3-PW:テーラーメイド P750
50、54、60:テーラーメイド ハイトウ
Putter:テーラーメイド スパイダーツアーレッド
アイアンが3番から入ったいかにもツアープロ! というセッティングだが、アマチュアにも参考になる点はあるのだろうか。まずは、プロゴルファーでクラブフィッターの関雅史に14本の組み合わせを分析してもらった。
「今のPGAツアーの流行りを取り入れたセッティングですね。なにが流行っているかというと、16.5度のスプーン。デイにとって、飛ばすことはまったく苦ではありません。ちょっとフック目に強い球を打てばスプーンの距離になり、少しカットに打てばクリークの距離になる。16.5度のバフィ(
4番ウッド)相当のスプーンを入れることで、3、5、ふたつのウッドを兼ねているわけです」(関、以下同)
デイが入れているフェアウェイウッドは1本だけ。通常15度の3番ウッドと、18度の5番ウッドの中間となる16.5度ロフトを入れることでフェアウェイウッドの本数を減らし、浮いた分をウェッジに回している。
「デイの使うウェッジは50、54、60度の3本。フェアウェイウッドを減らして、その分PGAツアーの厳しいグリーン周りのセッティングを制するための60度ウェッジ、あるいは50度と60度の間を埋める54度ウェッジを入れるんだと思います」
また、PGAツアーの多くの選手が3番や4番アイアンをユーティリティや、キャビティの深いアイアンに変えているなか、デイのアイアンは3番からピッチングまで同一モデルだが、それを関はこう分析。
「デイはパワーがあるからロフトのないアイアンでもボールを上げることができる。そうなると、重心距離の浅い3番アイアンは、重心の深いアイアン型ユーティリティよりスピンが少なくなる分飛ぶんです。芯でとらえることはお手のものであるため、ユーティリティに寛容性を求める必要もない。それでセットのアイアンにしているんでしょう。全番手同じフィーリングで振れるというメリットもあります」
16.5度とロフトの寝た3番ウッドを入れてフェアウェイウッドを減らすというアイデアはもちろん、下手にユーティリティを入れるより、セットのアイアンを増やしたほうが打ちやすい場合があるということなど、アマチュアの参考になる点もありそうだ。
取材トーナメント/WGC HSBCチャンピオンズ 撮影/大泉英子