第53回SMBCシンガポールオープンで2019年日本ツアーがスタートします。
正月が終わったばかりの1月の試合で、これが終わると4月までツアー競技がない日本選手からするとなかなかこの試合に向けて調整するのは難しかったと思います。ただ世界ランキング上位者が数名出場するので世界ランキングポイントが高く、全英オープン出場4人の座を争う予選も兼ねていることや、そして10月のPGAツアー新規大会ZOZOチャンピオンシップに出場するための争いがここから始まるということで、世界に飛び出していきたい野望を持った選手たちにはとても重要な試合です。
2018年賞金王の今平周吾選手はソニーオープンからの連戦になります。マスターズ特別招待が決まって嬉しいのと同時に身が引き締まるような気分だろうと想像します。すでにマスターズに加えてWGC-メキシコ選手権や全英オープンなどの出場権を得ていますが、世界進出に向けてはさらに3月開催になったプレイヤーズ選手権やWGC-マッチプレー選手権などの出場権も取りたいところです。世界ランキング50位までがどれも出られる試合ですが、現在今平選手は56位につけています。
シンガポールオープンには2度出場して35位タイ、33位タイとあまり相性が良いとは言えませんが、昨年に引き続きソニーオープンからの連戦ということで移動や調整の仕方も昨年よりは慣れがあると思います。マスターズ出場が決まったことでさらに注目度も上がりプレッシャーになるとは思いますが、今年は世界に出て行く大チャンスでモチベーションは高いでしょう。
2018年賞金ランキング2位のショーン・ノリスは12月JTカップが終わるとすぐに母国南アフリカに帰ってさらに2試合に出場しました。思ったような成績が出ず年末最後の世界ランキングで50位以内に入ることは出来ませんでしたが、3月末のランキングで50位入りして念願のマスターズの切符を得たいところです。現在71位につけています。
WGCメキシコ選手権や全英オープン出場権は今平同様にすでに獲得していますが、もう少し世界ランキングを引き上げることでWGCやメジャーへの道が開け今年のスケジュールを大幅に変えることが出来ます。ノリスは16、17年と今大会は予選落ちに終わりましたが、昨年は2位タイに入りました。そのときの良いイメージは残っているでしょう。
2018年賞金ランキング3位、日本オープンというビッグタイトルで初優勝を果たした稲森佑貴選手も2019年はさらなる飛躍が期待されます。
4年連続でフェアウェイキープ率1位を獲得し、4年連続でパーオン率はトップ10。昨年は平均飛距離も6ヤードほど伸びてますますショットのクオリティに磨きがかかり、日本ツアーでは屈指のボールストライカーです。
稲森選手の世界ランキングは現在106位。マスターズ出場権を得る50位はなかなか遠いところですが、全米プロゴルフ選手権は100位くらいまでは例年出られるので、今年から5月開催になった全米プロが彼のメジャーデビューになる可能性があります。
今大会には16年から毎年出場して49位タイ、11位タイ、12位タイと安定した成績を残しています。先週は初めて出場したソニーオープンで予選通過を果たし海外へのモチベーションもきっと上がっていることでしょう。
年末の日本のQTで27位に入り、今年は本格的に日本ツアーに参戦してくるプーム・サクサンシンも楽しみな存在です。2013年にプロ転向したタイのバンコク出身の25歳で、すでにアジアンツアーで3勝を挙げています。世界ランキングも138位につけていて、タイの選手の中ではアフィバーンラト、ジェーンワタナノンドに次ぐ現在3番手。来年の東京オリンピック出場争いの渦中にいる選手です。
年末のインドネシア・マスターズでは以前からファンだったというヘンリック・ステンソンと最終日最終組で一緒にプレーし、堂々のプレーぶりで見事ツアー3勝目を果たしました。昨年ユーラシアカップというアジア対ヨーロッパのチーム戦では最終日シングルスでマッチプレー巧者のポール・ケーシーを破り話題になりました。そしてこのふたりは今週予選ラウンドで同組でプレーします。
セルヒオ・ガルシア、ポール・ケーシー、マシュー・フィッツパトリックなどの世界ランキング50位以内のトッププレーヤーをはじめ、先週54歳ながらソニーオープンで7位に入ったデービス・ラブ3世も出場します。日本選手の健闘を期待しています。